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仮想メジャー、仮想メンバーの定義
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先にも述べたように、ユーザが必要とするメジャー(数値項目)の全てが元データに含まれているとは限りません。また、ディメンションの複数のメンバーから計算式で求められる別のメンバーを定義することが必要なケースもあります。
これらの仮想的なメジャーやメンバーの作成方法はBIツールによって異なりますが、大まかにわけると、GUIを使用して作成するタイプと、ツール独自の言語を使用して定義するタイプの2種類があります。OpenOLAPの場合はGUIを使用して作成します。
図6はOpenOLAPの仮想メジャー作成画面です。図6の例では「利益」という仮想メジャーを「売上金額 − コスト」という計算式で作成しています。右側のボックスにリストされた定義済みメジャーをマウスで選択して、四則演算の記号を入力するだけで、計算式が定義できます。
図6:OpenOLAPの仮想メジャー作成画面 (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
一方、ツール独自の言語を使用して仮想的なメジャーやメンバーを作成するタイプのものもあります。代表的な例としてMicrosoftのAnalysis Servicesがあります。Analysis ServicesはSQL Serverに付属している分析ツール用のデータベースで、Excelのピボット・テーブルからアクセスすることができますし、Excelのアドイン・ソフトウエアExcel Add-in for Analysis Servicesも用意されています。
Analysis Servicesでは、MDXという言語を使用して仮想的なメジャーやメンバーを定義します。図7は、MDXをGUIから入力する際の画面例です。値式のフィールドに入力されているのがMDXで表現された計算式です。
図7:Analysis Servicesの仮想メンバー作成画面
Analysis Servicesではソースデータの一部としてMDXを取り込んで仮想メンバーを作成することもできます。Excel形式で用意されたソースデータの例(図8)では、カラム「D」にMDXで表現された計算式が含まれています。
図8:MDXを含むAnalysis Servicesのソースデータ (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
このように計算式を定義する方式は様々ですので、ユーザの必要とする仮想メジャーや仮想メンバーの種類、定義を行うユーザから見た使い勝手などから総合的に判断する必要があります。
今回は分析ツールの選択のポイントとして6つの項目をあげ、その内の最初の2項目について詳しく解説しました。次回は残りの4つの項目について解説します。
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著者プロフィール
株式会社アイエイエフコンサルティング 平井 明夫
日本DEC(現HP)、コグノス、日本オラクルを経て現職。一貫してソフトウェア製品の開発、マーケティング、導入コンサルティングを歴任。 特に、データウェアハウス、BI、OLAPを得意分野とする。現在、企業業績管理、管理会計などデータ分析ソリューションの短期導入を可能にするテンプレートやパッケージの開発を行っている。
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