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IBM Special Interview Linuxとオンデマンド・ビジネスの関係
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— オープン・スタンダートへの取り組みとしては、どのようなことをしていますか

Daniel氏 Daniel氏:IBMは数百ある標準化団体に参加しており、それらの団体に協力しています。例えば、GGFやIETFなどといったスタンダートの標準化団体に参加して協力しています。

   標準化は業界ごとに分けて考えることができます。それぞれの業界ごとに、例えば医療における標準化など標準化を進める上でも様々な方法があります。IBMではこういった様々なアプローチで標準化を進めています。


— では、3つ目のコラボレーションについてはどうでしょうか

Daniel氏:コラボレーションということですが、今興味深いのは、お客様が自分の業務にどう取り組まれているかというとイノベーションです。つまりは、革新を導入し、ビジネスを成長させたい、コストを下げたいということです。

   このようなお客様をお手伝いする際には、お客様と協力するのはもちろん、テクノロジー面で様々な協力をしなければなりません。

Ross氏 Ross氏:例えば、最近発表したマーキュリー・コンピューター・システムのシステムに使われているCellプロセッサですが、PlayStation 3やXbox 360のためにソニーや東芝と協業して開発したものです。

   この株式会社マーキュリーのシステムは医療分野における画像診断システムにも使用したいと考えております。形のある製品を売るのではなく、Cellプロセッサの技術があって、エンジニアや技術的なサービスを提供できるのです。こうした協業があって、医療分野にも提供できると考えています。

Daniel氏:IBMは製品の販売も行っていますが、お客様はビジネスにおいて様々な問題を抱えておりますので、設計段階から協業することも大切だと考えています。

   そしてIBMには様々な人材が揃っています。コンサルティング、リサーチ、システム、ソフトウェア、LinuxやOSSの知識はもちろん、それぞれの人材が持っている知識を活かしてお客様と協業できると考えています。


— 今後のLinuxやOSSはどのような展開をしていきますか

Daniel氏:Linuxは、商用UNIXの代替品となるべく引き続きEnterprise Linuxとして求められる機能を拡張し発展していくと考えています。またOSSに関しても、オープン化の恩恵としてお客様に選択肢を与えるという観点からも継続的に発展していくと思います。これらオープン化の恩恵を享受すべく、より一層の活用が日本においてなされることを期待しています。

IBM Corporation Linux Technology Center所長 ダニエル・ディー・フレイ(Daniel D.Frye, Ph.D.)

IBM Corporation Linux Technology Center
所長 ダニエル・ディー・フレイ(Daniel D.Frye, Ph.D.)

IBMのLinux開発チームのトップであり、IBMのLinux戦略とLinux開発コミュニティへの参画に関する責任を持つ。過去にはIBMが先進性のあるビジネスに取り組むために創設したEmerging Technologies and Business Opportunities teamのメンバーを務めていた。この間にLinuxとオープンソースに関するIBMのコーポレートストラテジーの原案を作成。以来、IBMのLinuxとオープンソースに関する戦略立案の中心的役割を担っており、社外でも数々のLinuxとオープンソースインダストリーグループのメンバーとなっている。


IBM Corporation オンデマンド・ビジネス ジェネラルマネージャー
ロス・エー・マウリー(Ross A. Mauri)

IBMのオンデマンド事業推進のリーダーとして、オンデマンド・ビジネス主導するための戦略立案と実行を担当。1980年に入社。セールス、マーケティング、開発などの多様な分野でのマネジメントを経験し、1993年には、ヨーロッパ、中東、アフリカを統括するクライアントサーバコンピューティングユニットのディレクターに任命される。ハードウェアの開発やマーケティングに関わる数々のポジションでの役員経歴を経て、IBMのUNIXとLinux戦略をリードし、2003年にはIBMのSystems Groupのバイスプレジデントに就任した。現在、IBM Worldwide Management Councilとコーポレートストラテジーチームのメンバーである他、OSDL(Open Source Development Labs)の会長も務め、エンタープライズコンピューティングへのLinuxの適用に貢献している。

IBM Corporation オンデマンド・ビジネス ジェネラルマネージャー ロス・エー・マウリー(Ross A. Mauri)
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