ロン氏 今年は6月6日から10日まで、場所はサンフランシスコですが、その名の通りMacデベロッパー向けの大規模なカンファレンスとして、120以上のセッションが予定されています。今回は「Spotlight on innovation」というのをテーマとして、次世代のOSであるMac OS X v.10.4(Tiger)にスポットを当てています。
Mac OS Xを発表してからここ数年、IT系デベロッパーという方の参加が増えました。総参加者の40%がインハウスでの開発者で占められるようになったのです。この5年間の伸びというのは実に目覚ましいものがありまして、だからこそ毎年、ここでのセッション数が増えていくのですが、その中でも今年はオープンソースやエンタープライズ系ソリューションなどが特に多く取り上げられるようになっています。
ロン氏 実は、過去2年間だけでも、Macにおける開発者の数は2.5倍にも増えています。こうした状況はMac OS Xが登場してから特に顕著なのですが、その理由としてMac OS Xのユニークな特長があげられると思います。Mac OS Xには、まずコアとしてDarwinであるところのUNIXがあります。そしてそれに対して、Java、オープンソース、ネイティブフレームワークというものがすべて付いています。
そのため、UNIXでも、Linuxでも、Javaでも、または既存のMacのフレームワークでも、これまで多くの経験を持ったデベロッパーの方たちが、このMac OS Xを使って自在に新しいアプリケーションを構築していくことができます。すなわち、これまで自分たちが培ってきた経験や技術、知識を存分に活かして、新しいものを構築することができるわけです。
— エンタープライズにおけるアップルの優位性についてお話しいただけますか
ロン氏 一般的に申し上げれば、ハードウェアサーバ「Xserve G5」、ストレージ「Xserve RAID」とMac OS Xとの組み合わせによるコストパフォーマンスが大きいでしょう。
ただ、私たちがターゲットとしているエンタープライズというのは、決してSun MicrosystemsやHewlett-Packardが行っているようなものを想定しているわけではありません。あくまで、これまでのユーザであるクリエイターや教育関係者、学術関係者をメインターゲットとし、その中で大型のエンタープライズ系のニーズが生じたときに補完するかたちで「Xserve G5」「Xserve RAID」「Mac OS X」という製品が投入され、大変好評をいただいています。
また、様々な企業からパートナーとして協力していただいています。たとえば、既にOracleやボーランド、SunのツールなどもすべてMac OS X上でサポートされています。さらに開発ということであれば、EclipseのJavaツールなどもMac OS X上でサポートされています。
ロン氏 既にMac OS Xを使って開発をしている方々の満足度は高いようで、それは我々にとっても喜ばしいことです。実際にできあがってくるものにはすばらしいものが多く、それを見ると楽しみながらMac OS Xを使っていただいていることがよくわかり、感謝しています。
しかし、まだまだMac OS Xを経験されていらっしゃらない方は多いはずです。そんな方々に、ぜひとも「Try Mac OS X」というシンプルなメッセージを送りたいですね。私たちがMac OS Xに何を盛り込んできたのか、どんな便利なツールがあるのか、ぜひ知っていただきたい。これまでもこの「Try Mac OS X」から、数千という有益なプロジェクトやソリューションが生まれてきました。次は、ぜひその感動を貴方自身が体験していただきたいと思います。
WWDC Worldwide Developers Conferenceの略。毎年Appleが開発者向けに行うイベントで、2005年は6月6日から6月10日まで、サンフランシスコのMoscone Center Westにて開催される。プレゼンテーションのほか、ハンズオンセッション、ハンズオンラボではアップルの技術者が直接来場者に対して指導を行う。詳細は下記リンクのサイトを参照。 Worldwide Developers Conference http://developer.apple.com/ja/wwdc/