連載 :
  徹底比較!!ERP

多くのユーザの笑顔を大切にしたい - mySAP ERP

2006年7月4日(火)
神戸 利文

現場に新たな活力が生まれる

   当社のERPは現場にも大きな変化をもたらします。その効果を大きく2つに分けると、1つは業務効率と生産性の向上、もう1つは自立的な改善意識の醸成です。これらはいずれも企業成長には欠かせない原動力となるものです。

社内の無駄を徹底的に排除

   人の介在を必要としていた作業、紙や口頭での伝達に頼っていた確認作業などを自動化することで、従業員の手間を減らしコストを削減することができます。また受発注業務などの省力化・スピード化も実現します。

   従来は同じ情報が社内に複数存在し、しかもそれらが一致せず、正確な情報を特定できないことが業務を煩雑にしていたケースがあったかもしれません。 しかしERP導入により、例えば顧客データを全社でリアルタイムに共有し、顧客からの問い合わせや要求にすみやかに対応することが可能になります。

   また入力された伝票はリアルタイムに仕訳に変換されるため、受注伝票を受注担当者が入力し、その後経理担当者が会計伝票として入力するといった二重入力の手間が省け、入力ミスによるデータの不整合も解消されます。

   ERPの導入をきっかけに従来の業務手順を見直し、これらを標準化・自動化することで組織全体での業務効率と生産性が向上するのです。

現場レベルでの意思決定を促進

   一方、現場の自立的な改善意識の醸成という点では、利益の増大に直結する大きな効果が期待できます。

   従業員は担当者の役割別に必要な情報や機能だけを集めたインターフェースを通じて、欲しい情報にいつでもすばやくアクセスが可能となります。これにより積極的な情報活用を促し、業務の質を高めることができます。

   もちろん従業員が活用できるのは、企業の「今」をリアルタイムに反映した情報です。これは、企業活動に関するすべてのデータが一元管理されリアルタイムに連携する「全体最適型のERP」にしかできないことです。

   また見えなかった情報が見えるようになることで、例えば表3あげるような業務のあらゆる場面でリアルタイムな情報活用によるメリットがもたらされます(図3)。
 

  • 原材料の仕入・販売状況をリアルタイムに確認しながら発注量を即座に決定する
  • 最新の利用可能在庫数や入出庫予定を踏まえて、迅速かつ正確な納期回答を行う
  • 受注時に売上原価を確認することができ、日々の営業活動における利益認識が可能になる

表1:リアルタイムな情報活用によるメリットの具体例

現場におけるリアルタイムの売上・利益管理を実現
図3:現場におけるリアルタイムの売上・利益管理を実現
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)


   現場レベルでの意思決定も積極的に行われ、現場の担当者が、業務目標の達成に必要な自らの役割を考え行動するようになります。こうした現場の変革は、企業の変革を支える大きな力となります。

SAPジャパン株式会社

地域営業本部 バイスプレジデント
アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)にてコンサルティング業務に従事したのち、ロータス(株)にてコンサルティング本部長、プロフェッショ ナル・サービス(LPS)統括本部長を歴任。その後、日本アイ・ビー・エム(株)に転籍、ソフトウェア事業部ロータス事業推進LPS担当、ソフトウェア事 業ロータス事業部事業部長を務め、日本国内のロータス製品統括責任者として活躍。現在、SAPジャパン(株)の中堅市場責任者として数多くのお客様の経営 課題解決を手がける。

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