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それぞれのメリット/デメリット

2006年9月4日(月)
山之内 弘行

EJB 3.0


   本連載の最後として、EJB 3.0について簡単に触れたいと思います。


EJB 3.0とは


   EJB 3.0は、2006年5月11日にFinal Releaseが公開された、最新のEJBの仕様です。

   バージョン2.1以前のEJBは非常に複雑で、EJB固有のコーディング規約からトランザクションなどの各種設定方法、エンタープライズBeanのデプロイ方法など様々なことを学習しなければなりませんでした。このような理由から、EJBはあまり積極的に利用されませんでした。

   そこでEJB 3.0では、EoD(Ease of Development:開発を簡単に)というスローガンを掲げ、開発の簡単化に向けた様々な取り組みを行っています。

   表3にEJB 3.0の特長の一部をあげます。

  • エンタープライズBeanを単純化し、POJOやJavaBeansに近づける
  • Componentインターフェイス、HomeインターフェイスなどEJB特有のインターフェイスの廃止
  • エンティティBeanの永続化方法を単純化し、O/Rマッピング用のアノテーションを導入する
  • EJBコンテナ外でのテスト性を改善する

表3:EJB 3.0の特長

   本連載は、O/Rマッピングについての連載ということで、今回はエンティティBean(Java Persistence API)に焦点をあてて見ていきたいと思います。


Java Persistence API


   EJBでデータベースとのマッピングに使用するコンポーネントはエンティティBeanです。EJB 3.0ではJava Persistence APIを使用してエンティティBeanを作成します。

   Java Persistence APIはJava EE(Enterprise Edition)やJava SE(Standard Edition)におけるO/Rマッピングの標準になるAPIです。

   Java Persistence APIのキーとなるものとして「エンティティBean」「エンティティ・マネージャ」「永続コンテキスト」「EJB QL」の4つをあげることができます。「エンティティBean」は永続可能なオブジェクトのことです。「エンティティ・マネージャ」はエンティティの管理を行うAPIを提供します。「永続コンテキスト」はメモリ上のエンティティの集合のことです。「EJB QL」はエンティティの問い合わせを行うクエリ言語のことです。

   Java Persistence APIの特長としては以下の点があげられます。

アノテーションを使ったオブジェクトとテーブルのマッピング
オブジェクトはテーブルに、インスタンス変数はテーブルのカラムにそれぞれマッピングされますが、マッピング情報をアノテーションで示すことができます。また、データベース上のリレーションシップもアノテーションで示すことが可能です。
4つのエンティティの状態
エンティティには4つの状態からなるライフサイクルがあります。「new」「managed」「detached」「removed」です。
トランザクションのコミット時にDBに反映
データベースへの永続化や更新や削除は、エンティティ・マネージャというJava Persistence APIが提供するオブジェクトが行います。

表3:Java Presistence APIの特長


EJB 3.0のまとめ


   EJB 3.0について、簡単ではありますが触れてみました。すでに気づいた方もいるかもしれませんが、EJB 3.0はHibernateに仕様が非常によく似ています。というのも、EJB 3.0の使用策定にはHibernateの開発リーダも参加しており、その影響を大きく受けたからです。

   Hibernateと似ている点としては、データベースへの永続化や更新処理などはエンティティ・マネージャが行う点、EJB QLというオブジェクトクエリ言語が存在している点、オブジェクト(エンティティ)には4つの状態からなるライフサイクルがある点などがあげられます。

   このように両者は大変似ているので、Hibernateを熟知している方であれば比較的容易に習得できるのではないでしょうか。


まとめ


   全7回にわたって、O/Rマッピングについてみてきましたが、いかがでしたでしょうか。

   本連載では、「iBATIS」「Torque」「Hibernate」について見てきましたが、他にもたくさんのO/Rマッピングフレームワークが存在します。各フレームワークには一長一短があり、それぞれの特長やクセは異なります。その開発現場において何を必要としているのかをよく考慮した上で、フレームワークの導入を検討してください。

   本連載がO/Rマッピングフレームワーク導入時の1つの指針となれば幸いです。最後までお付き合いいただきありがとうございました。

株式会社ビーブレイクシステムズ Javaスペシャリスト
前職ではJavaを用いたシステム開発をメインに作業を行う。更なるキャリアアップを目指し、実力次第で上流工程に携われるビーブレイクシステムズに転職。現在はJavaアーキテクトとして活躍中。

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