Arduinoを用意して簡単なプログラミングをはじめよう

2013年2月12日(火)
藤原 敬弘

前回はミニ四駆の紹介と、FULLERで作製したミニ四駆の紹介で終わりましたが、今回は実際にモノを動かしていきます。まずは、Arduinoに触れるところからはじめます。

Arduinoキットや工具を準備しよう

まずは今回必要となるArduinoのキットやテスター、USBケーブルなど以下のリストの道具を揃えます。ショップに行くのが面倒という方は、リンク先(Amazon)を参照してください。

購入するものリスト

テスターはあまり必要でないと思う方がいるかもしれませんが、必ず用意してください。Arduinoを使ってデバイスを開発する時に、テスターはデバッガの役割を果たします。ソフトウェアを開発する上でデバッガが欠かせないように、Arduinoを使って開発する上ではテスターが欠かせません。

ちなみに、連載が終了するまでのパーツ費用は、今回の分も含めて総額でおよそ2万円となりますが、必要になるたびに徐々に購入していきますので、あまり負担にならないよう、無理せず読み進めて頂ければと思います。

プログラミングの第一歩“Hello World”

続いて、開発環境を整えます。IDEをインストールしましょう。IDEは Windows / Mac / Linux に対応しており、どのOSでもArduinoを使った開発をはじめることが出来ます。
> Download the Arduino Software

開発環境が整ったら、定番の "Hello World" を書いてみましょう。IDEを開き、次のプログラムを書きます。

  void setup()
  {
    Serial.begin(9800);
  }
 
  void loop()
  {
    Serial.println("Hello, World");
    delay(1000);
  }

次の手順でArduinoにプログラムを転送することが出来ます。

プログラムをArduinoに転送する(クリックで拡大)

右上のボタンから、 "Hello World" コンソールを開きます。

1秒毎に「Hello, World」が表示された(クリックで拡大)

上記の画像のように、"Hello, World" と1秒毎にコンソールに出れば成功です。

Arduinoにおけるもう一つの "Hello World" はLEDを光らせることです。コンソールで "Hello World" と出すことも出来ますが、LEDを光らせるほうが、よりArduinoらしく楽しいでしょう。まずはキットを展開し、赤LEDを取り出します。これを次の箇所に差し込みます。

ArduinoにLEDを組み込んだところ(クリックで拡大)

LEDには方向があります。足の長いほうをアノード、足の短いほうをカソードと呼びます。ここでは特にLEDに関して解説しないので、詳しくは検索するなどして調べてください。

短い方の足を「GNDピン」、長い方の足を「13番ピン」にそれぞれ差し込む(クリックで拡大)

IDEを使って、次のプログラムを書きます。

 void setup() {
  pinMode(13, OUTPUT);
  }
 void loop() {
  digitalWrite(13, HIGH);
  delay(1000);
  digitalWrite(13, LOW);
  delay(1000);
  }

このプログラムを走らせて、LEDが光れば成功です。Arduinoの世界へようこそ。

[tips] Arduinoと従来のマイコンの違い

Arduinoと従来型のマイコンで出来ることはそんなに違いはありません。大きく異なるのは、その文化。Arduinoの全てはハードウェアの設計からArduino IDEまで、あらゆるものがオープンソースです。今回、利用しているArduino UNOはピンの配置が固定化されているため、これに接続出来るモジュールが公式、非公式問わず売られています。このモジュールは別途購入する必要がありますが、これを利用するためのソフトウェアは基本的にオープンソースで公開されています。Arduinoを使えば、何か便利なものを作ろうと思った時に、たくさんの電子部品と格闘して、ソフトウェアも自分で組んで...という煩わしさから開放してくれるのです。

FULLER株式会社

1986年生まれ。北海道苫小牧市出身。苫小牧工業高等専門学校卒業。
Fuller, Inc. CTO
Webプログラマ、よく利用する言語はPython。Pythonコミュニティによく出没する。
趣味でArduinoやRaspberry Piなどを使って、便利なものを自作する。

twitter: @wutali / github: https://github.com/wutali

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