海外進出する日本のパッケージベンダ

2006年8月10日(木)

次世代ERPにおけるグローバルERP構想

2002年の秋に、再びERPを作成する機会を得ました。そこでコンソーシアム方式で製品を作成するという新しいビジネスモデルを考え、この新製品 のコンセプトに期待を寄せてくれる10社の資金を基に「GRANDIT」という完全WebベースのERPを開発しました。

「GRANDIT」による2つの課題解決

すでに「ERP自身のWeb化」という課題を感じていたので、迷うことなくWebベースのプラットホームを選択しました。業務処理にWeb技術とい うことに抵抗感を示す意見もありましたが、15年前に同じ状況でC/Sを選択して成功した経験があるので、このチャレンジを認めてもらったのです。

もう1つの「ERPを取り巻くWebシステムの出現」という課題に対しては、「グローバルERP」という新しい構想を考えました。現代のERPは基 幹業務という狭い機能統合ではなく、「エンタープライズレベルで必要な機能をすべて統合して持つべきだ」という構想なのです。つまり、ERPを取り巻くい くつかのシステムのうち、ERPに必要な機能部分をすべて統合するというものなのです。

その結果、「GRANDIT」は図2のようにいくつかのシステムが統合された形で標準装備されています。例えば、GRANDITにはBIを標準装備 しているので業務を行うと自動的にBIを使った分析も可能になります。最初から一緒に設計しているので、情報系に流しやすいテーブル構造になっており、 キューブに分析データが流れる処理も自動化されています。
 

グローバルERP「GRANDIT」の機能構成
図2:グローバルERP「GRANDIT」の機能構成
 

またワークフローを実装しているので、「GRANDIT」で使う伝票はすべて電子承認にすることが可能です。外付けのワークフローと違って、最初か ら一緒に設計していますので、承認ルートの逐次指定が不要、未承認伝票が先工程に流れないなどの細かな制御もできてます。

もちろん、ECにおいても顧客や商品/社員/組織などのマスタデータが一元管理されています。見積りや受注/出荷/在庫などのトランザクションデー タの連携・統合も、理想的な形で実現できています。「GRANDIT」は次世代ERPと呼ばれていますが、それは単に完全Webベースだからではありませ ん。次世代ERPと称されるのは、「グローバルERP」という新しい発想を積極的に取り入れた最初の製品だからなのです。

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