第2回:SCMによるビジネス成功を実現するYantra (1/3)

SCM 2.0
サプライチェーンから始まるSCM 2.0の波

第2回:SCMによるビジネス成功を実現するYantra

著者:スターリングコマース  高越 章博、大森 二郎   2007/2/16
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SCMの進化とビジネスチャンスの拡大

   90年代から各企業において取り組みが行われている「SCM(サプライ・チェーン・マネージメント)」は、流通面におけるコストカットや在庫の適正配置など、どちらかといえば企業における「無駄を省いて利益を上げていく」ものだった。

   しかし21世紀を迎え、SCMのコンセプトも変化してきている。この新しいSCM、いわば「SCM 2.0」は、「顧客志向」と「リアルタイムの変化」に注目されていくはずだ。

   今日ではITシステムの普及により、多くの企業においてSCMが導入されている。その中で最近「ライバルとなる企業に目を向けた場合にSCMの持つメリットが失われかけている」といわれるようになった。

   これはSCM自体を否定するものではなく、その逆にSCMは企業のビジネスにおいて基本インフラとして認識されはじめていることをあらわしている。ほとんどの企業においてSCMが導入され、その導入がビジネス上の差別化をはかれるものではなくなっているのが現状といえるだろう。
オーダーマネジメントネットワークの複雑性
図1:オーダーマネジメントネットワークの複雑性
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   90年代に導入されたSCMシステムのほとんどが自社のITシステムに依存し、独自的かつ閉鎖的な構成となっている。この状況は、新たなビジネスの立ち上げやビジネス展開のスピードが求められるといった環境の変化の中では停滞していると見られている。このまま過去のITシステムを使ってスローなビジネスを続けることは、ビジネスチャンスを逃し、結果的に企業としてはマイナスのサイクルに陥ることになる。

   スピードが求められるビジネスとは、単に物流を速くすれば解決できる問題ではない。顧客が商品を購入した時点で配送日時が確定できるなど、より高付帯なサービスを提供することが重要となる。こういった顧客志向のビジネスもスピードの一面といえる。

   例えば大型の液晶テレビを購入した際に配送がいつになるのか、設置がいつ行われるかなど、購入した時点で様々なサービス提供スケジュールが顧客に対して明示化できることは、他社と大きく差別化する要因になるだろう。

サプライチェーンの同期化を妨げる障害
図2:サプライチェーンの同期化を妨げる障害
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   これらの点から「SCM 2.0」では、変化のスピードと高い顧客志向を目指すことで、単なる物流だけでない新しいサービスを作り上げ、他社との違いを作り上げていくことに主眼が置かれているといえるだろう。

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スターリングコマース株式会社 高越 章博
著者プロフィール
スターリングコマース株式会社  高越 章博
SCMソリューション営業部 セールスエンジニア
外資系ITベンダー、外資系ソフトウェア会社にてERPコンサルタントを経て現職。SCMアプリケーションパッケージによるソリューションの提案活動に従事。


スターリングコマース株式会社 大森 二郎
著者プロフィール
スターリングコマース株式会社  大森 二郎
SCMソリューション営業部 アカウントマネージャ
日系IT企業でのプログラマー、営業、外資系ITベンダーでの営業を経て現職。SCMアプリケーションパッケージによるソリューションの提案・販売活動に従事。


INDEX
第2回:SCMによるビジネス成功を実現するYantra
SCMの進化とビジネスチャンスの拡大
  「SCM 2.0」を支えるSOA
  真のSCMを実現する「Yantra」
サプライチェーンから始まるSCM 2.0の波
第1回 物流における問題点とITによる解決
第2回 SCMによるビジネス成功を実現するYantra
第3回 Sterling Supply Chain Applications「Yantra」の詳細を探る
第4回 SCM 2.0を実現している企業

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