第2回:検索ポータルと企業サイト内検索の目的の違い (1/3)

企業サイト内検索
企業情報を活かす検索エンジン新時代

第2回:検索ポータルと企業サイト内検索の目的の違い

監修:マーズフラッグ  武井 信也
著者:ThinkIT編集局   2007/3/5
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サイト内検索は目的が違う

   検索ポータルとサイト内検索の最大の違いは、その検索範囲にあります。

   ポータルサイトで検索を行うユーザは、インターネット領域にある不特定多数の様々な国や人が用意した膨大なドキュメントの中から、必要な情報を探し出すことを目的としています。ここでユーザが得たい検索結果とは、何よりも信頼性とバランスが求められます。信頼できる良質なコンテンツが上位の検索結果として表示されることが重要です。

   一方のサイト内検索では、ユーザは特定の事業者のWebサイトの中にあるドキュメントから、知りたい情報を探し出すことが目的になります。ここで求められるのは網羅性です。検索を行ったサイト内にある、知りたいキーワードを含むすべてのWebページをもれなく検索できることが重要になります。

   では、これらのユーザの目的について、より具体的に見ていきます。

検索ポータルで探しているものは何か

   まず検索ポータルではユーザが検索を行う場合、事前に探したいものを意識しているということがあげられます。しかもその使用方法は多岐にわたります。その中でも多いのは「他のWebサイトにアクセスする手段」としての使用法です。

   例えば「デジタル一眼レフカメラが欲しい」と思ったユーザが検索ポータルを利用するケースでは、ベンダーのサイトをはじめとしてインターネット媒体に掲載された新製品情報やレビュー、すでに購入した人のBlog、価格比較サイトなどを検索・閲覧し、最終的にECサイトなどにたどり着くことになります。

   つまり、検索ポータルで行われる検索は「目的は決まっているが、その目的にリーチする手段(Webサイト)は何でもいい」ということになり、自分の目的に合致した複数のWebサイトを終着点と定めています。


サイト内検索で探しているものは何か

   サイト内検索では、商品の概要や価格、サポート情報、ヘルプ、投資家による調査や学生の就職活動など、そのすべてが検索を行っている企業/団体にそった具体的な内容を含んでいます。

   つまりサイト内検索の場合は「すでに手段(Webサイト)は決まっており、その中で目的を解決しようと動いている」ため、あらかじめ1つのWebサイトにフォーカスした上で、そこから得られる必要な情報こそが終着点となります。

   この2つの検索方法はあまり違いがないように思うかもしれませんが、ユーザの行動は大きく異なるため、また企業サイト内検索を考える上で重要な要素なのです。

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株式会社 マーズフラッグ 代表取締役社長 武井 信也
監修者プロフィール
株式会社マーズフラッグ  代表取締役社長
武井 信也

学生時代よりプログラミングに魅力を感じ、多くの言語を経験する。システム開発・コンサルティング会社、株式会社サイバーコム設立発起人を経て現職。現在、見える検索エンジンポータル「Mars Flag」および、見えるサイト内検索エンジン「MARS FINDER」を開発・運営。


INDEX
第2回:検索ポータルと企業サイト内検索の目的の違い
サイト内検索は目的が違う
  サイト内検索にページランクは通用しない
  ユーザに対して検索結果を最適化させる
企業情報を活かす検索エンジン新時代
第1回 企業サイトのがっかり検索をなくせ
第2回 検索ポータルと企業サイト内検索の目的の違い
第3回 検索ログの信頼性を高めて経験価値を向上させる
第4回 内部統制におけるサイト内検索の活用
第5回 検索エンジンで企業内ナレッジを一本釣り

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