情報表示機能を比較する!

2007年11月16日(金)
寺島 広大

統合監視ツールの情報表示機能を比較

   「第2回:4種の統合監視ツールの情報収集機能を比較!」では、オープンソースによる統合監視ソフトウェア「Nagios」「Hinemos」「ZABBIX」「Hobbit」がそれぞれ備えている機能から「情報収集機能」に着目して比較を行いました。

   今回はそれに引き続き、収集した情報をさまざまな形で表示して状況を把握するための「情報表示機能」を取り上げます。それぞれのツールごとに、収集したデータをみやすい形で表示できるかや、そのデータの再利用性などについて比較を行います。

   比較するにあたってのポイントは大きく分けて「表示機能」と「設定方法」の2つがあります。まず表示機能では「表示方法」や「障害発生有無の一覧表示」「障害履歴の表示」「最新データの表示」など8項目で比較を行いました。

   さらに設定方法では、データ表示やグラフ表示の設定の方法に加え、その設定が容易に行えるかどうかの「使い勝手」の部分にも着目しています。「表示機能」と「設定方法」に含まれる各項目については、以下のような観点から評価を行っています(表1)。


表示機能 表示方法 どのような方法で表示を行なうか
障害発生有無の一覧表示 すべての監視対象の障害の有無を、一覧で表示することが可能かどうか
障害履歴の表示 過去に発生した障害の履歴を表示することが可能かどうか
最新データの表示 情報収集機能で取得した最新データを表示することが可能かどうか
過去のデータの表示 情報収集機能で取得した過去のデータを表示することが可能かどうか
グラフ作成機能 グラフを作成するとこが可能かどうか
複数グラフの一覧表示機能 複数のグラフを動画面で一覧表示可能かどうか
マップ作成機能 マップを作成することが可能かどうか
設定方法 設定方法 データ表示やグラフ表示の設定を行なう方法
設定の容易さ データ表示やグラフ表示の設定が容易かどうか
表1:今回の評価ポイント

   今回実際に情報表示機能について各ソフトウェアを比較した結果として、最新のデータや障害の表示についてはあまり差がみられませんでした。しかし過 去のデータや障害の履歴、グラフ表示の対応には各統合監視ソフトウェアによって、大きな違いがあることがわかりました。

   特に、収集済みのデータの取りあつかいの違いは、その保存方法に大きく依存しています。それぞれのソフトウェアのデータ保存方式については、リアル タイムに障害情報をチェックすることに主眼をおいているであったり、長期的な障害状況を活用していきたいといった設計の違いによる部分も大きいと考えてい ます。

   さらにもう1つの理由として、設計の新旧にも関連していると考えられます。比較的新しく設計されているZABBIXとHinemosは、収集した データはリレーショナルデータベースに保存する構成となっています。この点によって、収集したデータを後から柔軟に活用することが可能なのです。

   それでは各監視ツールごとに、実際に比較を行った結果を紹介していきます。

ZABBIX-JP
システムインテグレーション、ネットワーク運用管理を経験後、現在はミラクル・リナックスに勤務。顧客の監視システム構築の際にZABBIXを知り、仕事の傍らZABBIX-JP Webサイトの作成、管理を行っている。http://www.zabbix.jp

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