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| 現場の人材の力とは | ||||||||||
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第1回、第2回では、IT導入時に必要な経営ビジョン、戦略、リーダーシップといったテーマを中心に解説した。第3回の今回は現場の「人材」というテーマに着目してみたい。 どれほど高価なシステムでも、それが実際に経営で活かされるかどうかは、現場で導入をされる皆さんがどのように物事を考え、課題を処理し、行動していくか、という人材の力に大きくかかっている。 |
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| 「情熱を持った、自発的な推進チーム」が動いているか? | ||||||||||
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実はITの導入においても、「思いと情熱」が何より重要だ。心理学的に見ても、人間は「その仕事をやってみたい」「成果をあげたい」と自ら思うときに、もっとも高いパフォーマンスを発揮する。 しかし、残念ながら、新しいITシステムの導入は「非常に困難」「面倒」「できれば避けて通りたい」といったネガティブなイメージでとらえられることが多い。時間と労力がかかる割に、十分に評価されるともいえない。社長をはじめ経営陣や上司がITに対しての関心が薄い場合は、その傾向がさらに顕著になる。 これまで立ちあった導入や提案の現場において、ふと思うことがある。皆さんが、「新しいITシステムの導入を楽しめているか」「IT導入後に大きな成果をイメージし、ワクワクしているか」「やりがいを感じられているか」と。 何故か「やらされ感」が蔓延している現場も多いと感じる。導入する人たち自身が、その成果をイメージできないようでは、IT導入の成功確率は一気に下がってしまうのではないだろうか。 |
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| 高尚なミッションと情熱を共有する「ホットグループ」を推進役に | ||||||||||
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誤解を恐れずにいえば、「○○システム化委員会」「××システム部」といった形式的な組織に依存するだけでは、ITプロジェクトは成功しない。その「組織」の中、あるいは近辺にいる「熱い思い」を共有した非公式で部署横断的なネットワークこそが、IT導入推進の大きな力になる。 筆者の母校でもある、米クレアモント大学院のジーン・リップマン・ブルーメン教授と、スタンフォード大学のハロルド・J・レヴィット教授は、長年の組織研究の結果、「ホットグループ」という概念に行き着いた。ホットグループとは、ワクワクするようなミッションを共有した小規模のグループが、短期間で誰も予想しなかったような成果を生む状態を指す。 ITの導入は、まさに短期間で、小規模の人数で、ワクワクするような経営成果を生むものであるべきだ。実際に他のどの活動よりも、成功すれば驚くほどの投資対効果が得られるのがITの魅力でもある。 例えば、Eコマースでのまったく新しい収益モデルの確立やWeb技術を活用したマーケティング、営業支援システムを活用したナレッジの共有、ERPを活用した業務改革などだ。これまで属人的で、無駄や無理の多かった業務がITの導入により圧倒的に効率化され、それまでと違うワークスタイル、能力を発揮できるステージが広がる。 成功すれば、驚くほどの投資対効果が会社にもたらされる。IT導入の現場にはもっと「ワクワク」があるべきだと思う。そのためには、リーダー層が現場担当者の強い目的意識を引き出し、精一杯彼らの活動を支援することが必要だ。 |
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