マイクロソフトの次期統合開発環境「Visual Studio 2008」によって、これからのコンピューティング環境はどのように変わるのだろうか。それに向けたマイクロソフトの取り組みからVisual Studio 2008の製品概要を交えながら、これからのアプリケーション開発の現場がどこに向かっていくのか。マイクロソフトのメッセージをインタビュー記事として 読者に伝える。
Visual Studio 2008の概要
— 9月に新しいマイクロソフトの開発ツール「Visual Studio 2008」の概要が発表されました。まず新しいVisual Studio 2008の特長や、これまでのバージョンと違う点などを教えてください。
鈴木氏:Visual Studioは最初のVisual Studio 97がリリースされてから10年が経ちました。開発ツールとともにマイクロソフトは成長してきたといっても過言ではありません。
今回発表したMicrosoft Visual Studio 2008には、大きく分けて3つの特長があります。それは「最新プラットフォームに対応した高品質で優れたユーザインターフェースの実現」と「開発生産性 の向上」、そして「アプリケーションライフサイクルマネジメントの強化」です。
他にもVisual Studio 2008はIDE自体の機能強化がはかられているほか、全体で200以上の機能が強化されています。
— それぞれの特長について、具体的に説明をお願いします。
近藤氏:最新プラットフォームへの対応としては、昨年リリースしたWindows Vistaやthe 2007 Office systemなどに備わっている最新機能を活用したアプリケーションの作成ができることがあげられます。また今後リリースされるSQL Server 2008にも対応を予定していますので、これらの製品が持つ機能や特長を最大限活用したアプリケーションを作ること、つまりマイクロソフト製品に向けた最 新の開発プラットフォームとして位置づけられるのがVisual Studio 2008なのです。
— 生産性向上を狙ったということは、チームでの開発を主眼にした製品となるのでしょうか
鈴木氏:Visual Studio 2008の3番目の特長が、「アプリケーションライフサイクルマネジメント(ALM)」を強化したことです。これは現在のバージョンであるVisual Studio 2005 Team Systemとしてリリースしました。プログラマ・テスター・アーキテクト・データベース開発者などのロールに合わせて、アプリケーションの品質を向上す るためのツールや仕組み、また、Visual Studio 2005 Team Foundation Serverによるソリューションの管理などの機能を提供しています。Visual Studio 2008では、そういった機能もより使いやすく、また、機能的にも向上しています。