第3回：社内SEからゲーム業界SEを目指す（後編） -「これからのゲーム業界動向とそこでのキャリアアップは？」 (1/2)

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転職バーチャル相談室〜転職成功への近道〜

第３回：社内SEからゲーム業界SEを目指す（後編） -「これからのゲーム業界動向とそこでのキャリアアップは？」
2006/10/27

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転職に対する不安や疑問などは自分で考えても解消できないことが多いものです。経験豊富な転職アドバイザーに相談することで、知らなかったり気づかなかったことを見出せるでしょう。また1つの疑問を複数の転職アドバイザーに相談してみることで、自分の視野が広がり、より良い転職を目指すことができます。

「転職バーチャル相談室〜転職成功への近道〜」の第3回は、社内SEとして勤務するC氏が相談者です。後編の今回は、株式会社クリーク・アンド・リバー社の村上大氏に相談します。

相談者Cさん

職種：社内SE
年齢：25歳
経験年数：2年

現在は社内SEとしてシステム開発を行っている。もともとあったゲーム業界への希望を捨てきれず、今回転職アドバイザーに相談を行った。

相談者Cさんの職務経歴書
（画像をクリックすると拡大）

株式会社クリーク・アンド・リバー社
転職アドバイザー
村上大氏

意匠系建築学科を卒業後、映像制作会社にてゲームおよび3DCGコンテンツ制作に8年従事。CGスクール／大学等で人材開発マネージャーを兼務。2003年にクリーク・アンド・リバー社に転職し、ゲーム／CG／モバイル分野のエージェント業務やプロジェクトマネージメント、CGトレーニング講師として尽力。

面接はきちんとした
格好で
特にプログラマの場合は接客の機会が少ないため、環境としては服装に関してはあまり言われない面があります。ただし面接の時には、好印象を与える服装にしたほうが良いでしょう。

未経験者は環境を選べ
未経験に近い状況の方は、できるだけ様々な経験を積める環境のある企業に入社することで、納得感や成長しているという実感を持てます。

必要なキャリアは
早く積む
ゲーム業界は実力の世界なのである程度キャリアを積んでおくことで、その後の方向性を決められるようになります。このため、必要な経験を早く積める企業に挑戦しましょう。

長いキャリアより
実力が重要
長く業界に関わっていたからといっても、必ずしも評価が高くなるわけではありません。自分の力量にあわせてキャリアアップやステージアップを積極的に行いましょう。

相談者C氏    私と同じような経歴の人がゲーム業界に応募するケースは多いのでしょうか。

村上氏    多いです。転職される方の中で、専門学校に通っていてゲーム業界を目指したものの、就職の際に適わずに2〜5年後に再挑戦するケースがあります。そういった方から「まったく実績がないんですけれど、大丈夫でしょうか」という相談を良く受けます。

相談者C氏    そういった方はどのような業種に応募されていますか。

村上氏    ちょうど去年、おととしは、モバイル向け・携帯電話のゲームの市場が繁忙期でした。Java、Brewアプリと呼ばれているものですが、昔の2Dゲームの移植ということで、30代の実際にプレイしていた世代の技術者が中心となりました。

   このような分野では、最近のゲームのような3Dや数学的な知識が求められず、どちらかと言えば敷居が低く割合参入しやすい状況がありました。プログラマが1名であったり、多くても数人というプロジェクトで、センスとスキルのある方が中心でした。

相談者C氏    現在は、その分野の状況はどうなのでしょうか。

村上氏    携帯の移植市場はシュリンクしてきたと言われています。実際に飽和状態に近い状況なので、これからは新しい企画を作っていくフェイズに移行し、ゲーム製作者の方だけが残って仕事をしている状況です。

相談者C氏    ではやはりコンシューマゲームの分野が今後も伸びるのでしょうか。

村上氏    モバイル向けのゲームはコンシューマゲームと呼ばれるような家庭に1台といったゲームとは方向性が違うので、通信やネットワーク知識が必須なまったくあたらしい市場ができたとも言えます。

   新しいマーケットができて、通信や課金のシステムといった分野に強いSE、プログラマが非常に活躍できる場で、ニーズも高いものがあります。この点は、コンシューマゲームで非常に力のある方でも、すぐに対応できるものではないと思います。

相談者C氏    ゲーム業界に転職を考えた際に、今のスキルを活かせる面はあるでしょうか。

村上氏    Cさんのこれまで行ってきた仕事から考えると、ゲームそのものから離れてセールスプロモーションのためのWebシステムを作るケースが考えれます。

   ただしゲーム業界でSEやプログラマを募集する場合、ゲームのプログラム自体を担当することがほとんどです。基本的には人事システムをはじめとした基幹部分に対しての募集はまずありませんし、そちらに関しては実態としてアウトソースしているケースが多いですね。

相談者C氏    自分としてはゲームそのものの開発に関わりたいのですが。

村上氏    Cさんの職務経歴書では、これまで人事システムや通販システムでJavaを使った開発をされていたとなっています。まずJavaというところを活かすのであれば、携帯ゲームが近いと思います。また、昨年から流行しはじめたカジュアルPCオンラインゲームの分野もお勧めできますね。

   このような分野であれば、Javaの知識が求められるところがありますので、即戦力で対応できる可能性があります。

相談者C氏    コンシューマ系は難しいですか。

村上氏    1つでもプログラム言語を習得していれば、その他の言語に応用が利く面はあります。しかしJavaそのものはコンシューマゲームとしてはメインの言語ではありません。特にメモリの管理といった点など非常に特殊な環境なので、Javaとは方向性が違います。

   これまでに趣味でゲームを作っていただとか、数学や3Dに関して知識があるといった付加価値があれば、可能性はあると思います。特にゲームの場合は、非常に専門的な知識を求められると同時に、プログラマの問題解決力が重要となっています。

   一般的な企業の基幹システムは設計に基づいて順々に構築するわけですが、ゲーム開発では様々な方法を駆使し、ハードウェアやソフトウェアの制限を乗り越えていくといった難しい面があります。

相談者C氏    ゲーム業界に挑戦するに当たって、求められる資質とはなんでしょうか

村上氏    まずゲーム作りが好きかどうかです。次にセンス的な適正があるかです。

   技術的なことを覚えることはもちろんですが、実際にはセンスが非常に重要で、センス次第で2ヶ月から3ヶ月の間で必要な知識を吸収し、求められるパフォーマンスを適えることができます。

相談者C氏    その他にはどのようなものがありますか。

村上氏    コミュニケーション能力と、先ほども言った問題解決力が注目されます。また企業の採用担当者の多くはコミュニケーション能力と人柄を求めています。

   Cさんの場合は、基幹系やシステム系といった設計をされた経験があり、要件定義のために様々な人とコミュニケーションされていると見られるでしょう。そういったセンスと業務実績を持った方は訴求ポイントとしては非常に高いと思います。

相談者C氏    ゲーム業界では未経験でも、他の業種での経験は評価ポイントになるのでしょうか。

村上氏    ゲームを作りたい、と考えているのであれば、まず前提として「ゲームが好き」という条件はクリアしていると思います。ゲーム制作というのは芸人に近い世界だと思います。3Dのデザイナーはもちろんプログラマも、皆エンターテイナーの世界です。

   さらにそれに加え、ゲーム業界は今、大きなビジネス業界になってますので、そこでの折衝能力であったり要件定義の力も求められています。

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INDEX
第3回：社内SEからゲーム業界SEを目指す（後編） -「これからのゲーム業界動向とそこでのキャリアアップは？」
	ゲーム業界に再挑戦できるか
	企業面接での注意ポイント

転職バーチャル相談室〜転職成功への近道〜
汎用系SEからオープンソース系SEを目指す（相談者：28歳SE）	第1回：前編「汎用システムそのものの将来性に不安があるのですが」
	第1回：後編「バックオフィスからエンドユーザコンピューティングに転職できますか」
SIerから社内SEを目指す（相談者：30歳SE）	第2回：前編「企業のシステムを1から構築したいのですが」
	第2回：後編「これまでのキャリアはどのように評価されますか」
社内SEからゲーム業界SEを目指す（相談者：25歳社内SE）	第3回：前編「やっぱりゲーム業界で働きたいんです！」
	第3回：後編「これからのゲーム業界動向とそこでのキャリアアップは？」