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モニタリング・ツールのチェックポイント
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モニタリング・ツールの主要なユーザ層である経営層にとって、データは自分で分析するものではなく、企業の戦略から導きだされる評価基準にそって識別が容易なものでなければなりません。そのためモニタリング・ツールには、経営層が必要とするKPI(経営評価指標)の値を特定の評価基準に従ってシグナル表示したり、客観的に点数化された数値として表示させたりする機能が求められます。
このようなニーズを満たすために必要となるモニタリング・ツールの機能の中でも、特に重要な項目は以下にあげる5つになります。
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ハイライト機能
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画面に表示されている数値を特定の評価基準に従って判別可能にする機能の中で、もっとも単純な方法がハイライト機能です。この機能は、表示されている数値のフォント・色や背景の色・パターンを値によって変える機能です。
この機能は、数値の表現方法自体を変えるわけではありませんので、分析ツールやレポーティング・ツールの機能の一部として実現されています。従って、数値表現に対するニーズが専用のモニタリング・ツールを導入する程ではない場合、この機能さえあれば分析ツールやレポーティング・ツールでモニタリング・ツールを代用することができます。
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シグナル表示機能
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シグナル表示は、モニタリング・ツールのもっとも基本的機能です。シグナル表示とは、KPIの値に応じて記号の形や色を変えて表示することにより、直感的にKPIの値の内容を把握することを可能にする機能です。
シグナル表示もハイライト機能と同様に、分析ツールやレポーティング・ツールの機能の一部として実現されている場合がありますが、通常の数値表示とシグナル表示のどちらに重点が置いているか、この後に解説するスコアリング機能を持っているかどうかが、モニタリング・ツールとして分類されるかどうかの境界線となります。
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スコアリング機能
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モニタリング・ツールのもう1つの基本機能がスコアリング機能です。スコアリング機能を使用すると、実際のKPIの値をいったん点数に直して、その点数で評価することができます。
経営者が必要とするKPIにはさまざまな種類があります。金額やパーセントといった数値の単位の違いだけでなく、大きい値が良い評価を与えられるKPIもあれば、逆に小さい値が良い評価を与えられるものもあるといった性質の違いもあります。
これらのKPIの特性の差異を吸収し、客観的な評価基準に置き換えることがスコアリングの目的です。またスコアリングは、次の重要項目であるグルーピングと重み付けの前提条件となる機能でもあります。
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グルーピングと重み付け
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スコアリング機能でKPIを客観的な評価基準として点数化し、複数のKPIをまとめたKPIグループを設定すれば、それにもまた点数を与えることができるようになります。KPIグループは個々のKPIと比べると、経営者に対して、より高く、より包括的な、判断基準を与えてくれます。バランス・スコアカードの4つの視点である、「財務」「顧客」「内部プロセス」「学習と成長」はKPIグループの設定の代表的な例といえます。
複数のKPIからKPIグループを設定する際には、KPIそれぞれに対して重みを設定します。それに基づいた加重平均でKPIグループの点数を計算する機能が重み付けです。重み付けによって付けられたKPIグループの点数は、個々のKPIの点数に比べ、より企業の戦略を正確に反映できるようになります。
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KPIの相関関係表現
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KPIのグルーピングとは、複数のKPIを階層化することでもあります。この場合、表示上は階層表現ができることがモニタリング・ツールの機能のポイントとなります。
しかし、ある特定の分野のKPIについては、より特殊な相関関係の表現が求められる場合があります。例えば財務分析におけるKPIでは、指標分解と呼ばれる手法でKPIが相関関係を持つ場合があります。このような財務分析にモニタリング・ツールを使用する際には、KPIをグラフィカルに表示できる機能があると大きな優位性になります。
それでは、これらの5つの項目を個別に詳しく見ていきましょう。
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著者プロフィール
株式会社アイエイエフコンサルティング 平井 明夫
日本DEC(現HP)、コグノス、日本オラクルを経て現職。一貫してソフトウェア製品の開発、マーケティング、導入コンサルティングを歴任。 特に、データウェアハウス、BI、OLAPを得意分野とする。現在、企業業績管理、管理会計などデータ分析ソリューションの短期導入を可能にするテンプレートやパッケージの開発を行っている。
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