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個人からチームの生産性向上へ
チーム開発ここまできた、個人からチームの生産性向上へ

第3回:成果物の管理とプロジェクトのコミュニケーション向上
著者:日本ユニシス株式会社  2006/1/17
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はじめに

   2005年の夏の話ですが、こんなことがありました。ある花火大会で有料席をとり、友人と見に行くことになりました。有料席で花火を見るのは、はじめてであったため、そのことを会社で一部の人に話しました。

   花火が終わり月曜日に出社すると、その話に尾ひれどころか背びれ、胸びれまでついていて、高層ビルのレストランで食事をとりながら優雅に花火を見たことになっていました。花火を見に行ったことを伝えていないはずの部長にも「花火どうだった?スーツ着ていったんだって?」と聞かれる始末。コミュニケーションの限界を感じました。

   部長まで話が届いたという情報の伝達の早さには感心しますが、正確でないのは困りものです。情報の伝達は重要ですが、正確でなければいけません。

   このようなことは、チームに開発にも当てはまります。正確に情報を伝達することはとても重要なことです。伝達ミスはプロジェクトの成否にもかかわります。現在、私はプロジェクトで構成管理を担当していますが、いかにチーム開発の効率化をはかり、いかにプロジェクトメンバーの意思疎通をはかれるか、いかに管理のコストを下げるかが構成管理者の責務だということを念頭に置きながら日々業務をこなしています。実際にこれらがプロジェクト運営にとって必要なことであると考えます。

   今回は「チーム開発の効率化」「情報共有の効率化」「管理コストの削減」という3つの観点からVisual Studio 2005 Team Foundation Server(以下、VS2005 TFS)を紹介します。


範囲

   第1回ではプロジェクト開発における情報共有の難しさと進捗管理の効率化を、第2回ではソースコードの変更管理について解説してきました。第3回の今回はソースコード以外の成果物の管理とプロジェクトにおけるコミュニケーション向上について解説します。

   図1からわかるように、赤枠内が今回の説明範囲です。成果物管理とコミュニケーション向上を可能とするプロジェクトサイトという機能に焦点を当てて紹介しています。

VS2005 Team System
図1:VS2005 Team System
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)


チーム開発における情報共有とは

   プロジェクトメンバーは最終納品物の作成を目指します。プロジェクトとしての目標は期日までに納品物をより良質なものに仕上げることです。しかし、最後に納品さえすればよいというものではなく、ある時点でのプロジェクトの結果・状態を把握できるということも必要です。障害情報、成果物、タスク、コストなどのプロジェクトに関する情報を把握できなければならないのです。

   当社ではプロジェクトが立ち上がる際に、構成管理方法について毎回のように議論されています。小規模なプロジェクトでは、ファイルサーバでのファイル共有で用が足りてしまうかもしれませんが、例えばWindowsにおけるファイル共有ではバージョン管理ができないという大きなリスクがあります。中規模・大規模のプロジェクトでは、このリスクを看過することはできないでしょう。

   上記にあげたリスクは一例に過ぎません。これらのリスクを避けるために、成果物を管理する上で必要となるツールの選定を行う必要があります。

   第1回ではチーム開発における成果物管理の留意点の代表的なものをいくつかあげました。それに加え、必要な条件をあげると次のようになります。

  • 成果物の提出方法が明確
  • フォーマット
  • 排他制御
  • バージョン管理
  • セキュリティ(ユーザ管理、構成要素へのアクセス権設定)
  • 優れたユーザインターフェース
  • 管理コストが低い
  • 情報共有の効率化が可能

表1:チーム開発における成果物管理の必要な条件

   これらの条件のほとんどを満たすことのできる構成管理ツールは、一般にクライアント側に特定のソフトウェアを入れなければなりません。しかしWindows Share Point Services(以下、WSS)は、Internet Explorer(以下、IE)とOfficeさえあれば利用可能で今までよく使われてきたツールの1つだと思います。筆者が現在遂行中のプロジェクトでも使われています。

   VS2005 TFSではWSSベースに作成した、そしてもとのWSSより高機能なプロジェクトサイトという機能を利用することができるのです。

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第3回:成果物の管理とプロジェクトのコミュニケーション向上
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