第4回:システム構築力の獲得 (1/3)

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第4回:システム構築力の獲得
監修者:野村総合研究所  淀川 高喜   2005/12/1
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これからのシステム構築プロセス

   システムが複雑・多様化し、環境変化や技術革新により短命化した今日においては、これまでのような経験則に頼ったシステム構築のやり方では対処できないケースが増えている。

   システム構築は、建物の建設などと比較して「エンジニアリング(工学技術)」の導入が不十分といわれる。システム構築におけるエンジニアリングとは、「システムの開発・保守にあたって、科学的に裏打ちされた理論・方法・ノウハウを適用すること」である。システム構築における理論・方法・ノウハウとは、以下のようなものがある。
  • システム構築に関連するプロセスの定義
  • システムを調査、企画、開発、保守するための技法
  • システム構築プロセスの品質管理の技法
  • これらのプロセス、技法を支えるツールなど

表1:システム構築における理論・方法・ノウハウ

   組織としてシステム構築のプロセスを標準化し、測定、改善するには、米国カーネギーメロン大学ソフトウェア工学研究所が開発した、ソフトウェア開発プロセスの評価モデル(能力成熟度モデル)であるCMM(Capability Maturity Model)などが参考になる。

   多くの企業では、主要業務領域のシステム化は一巡したといってもよい。これからのシステム構築は、事業やサービスの創造や情報活用支援といった戦略的領域をサポートするための新規システム構築と、従来の業務効率化のために構築された既存システムの拡張・再構築が大半を占めることになると思われる。

   したがってこれからのシステム構築では、既存のシステム資産をできる限り再利用することにより、システムの品質、コスト効率、実現スピードを向上させることが求められる。ここで既存システム資産の中には、ハードウェア、ソフトウェアだけでなく、モデル・仕様・アルゴリズム・データなども含まれる。

   これからのシステム構築プロセスは、企画して開発して本番稼動させればそれで完了ということにはならない。その後の保守、再利用のための調査、そしてあらたな再構築にむけた企画という一連の流れを、システムのライフサイクルとして捉える必要がある(図1)。

これからのシステム構築プロセスの全体像
図1:これからのシステム構築プロセスの全体像
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)


システム構築プロセスの革新ポイント

   システム構築において、各プロセスの革新ポイントは、図2に示す通りである。

システム構築プロセスの革新ポイント
図2:システム構築プロセスの革新ポイント
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

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株式会社野村総合研究所 淀川 高喜
監修者プロフィール
株式会社野村総合研究所  淀川 高喜
プロセス・ITマネジメント研究室長 兼 金融ITマネジメントコンサルティング部長。国家試験 情報処理技術者試験 試験委員会 委員。1979年野村総合研究所入社。生損保、銀行、公共、運輸、流通、製造業などあらゆる分野における幅広いシステムコンサルティングに携わる。専門は情報技術による企業革新コンサルテーション、情報システム部門運営革新コンサルテーションなど。


INDEX
第4回:システム構築力の獲得
これからのシステム構築プロセス
  調査プロセス
  システム運用革新の国際標準ITILの概要

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