富士通、「京」に続くスーパーコンピューターの製造開始を発表
富士通は4月15日、理化学研究所と共同で、文部科学省が2021年から2022年頃の共用開始を目指して進めているスーパーコンピュータ「京」の後継機であるポスト「京」の設計を完了し、製造を開始すると発表した。
「京」は、2006年より富士通と理化学研究所が共同で開発し、2012年に完成、共用が開始された。「京」はスーパーコンピュータの実用面を示す主要な性能指標で現在でも世界トップクラスの性能を有しており、先端的研究において不可欠な研究開発基盤として運用されている。ポスト「京」はその後継機となり、様々な社会的・科学的課題を解決する先端研究開発基盤として、また、今後日本が目指すべき未来社会の姿「Society 5.0」の実現を支える重要な基盤としても期待されている。
同社は2014年10月から理化学研究所とともに基本設計を開始し、様々な分野のアプリケーション開発者と協調設計を実施しつつ、システムの詳細設計・試作を進め、今回、ポスト「京」のハードウェアの製造を開始し、順次、出荷と設置を進めていくための正式契約を締結した。ポスト「京」のハードウェアの製造は当社のコンピュータシステムの基幹工場である富士通ITプロダクツ(本社:石川県かほく市)で行い、現在「京」が設置されている理化学研究所 計算科学研究センター(兵庫県神戸市)へ設置される。
ポスト「京」は、同社が開発した高性能CPU「A64FX」を搭載し、ARM命令セットアーキテクチャーにより幅広いソフトウェアに対応する汎用性を持つほか、超並列、超低消費電力、メインフレームクラスの高い信頼性などを実現する。また、当社はハードウェアの開発・製造とソフトウェアの開発において、オープンソースコミュニティと連携して、ARMエコシステムの推進、ポスト「京」でのオープンソースソフトウェアの活用、ポスト「京」で創出された成果の展開などを進めていく。
(川原 龍人/びぎねっと)
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