SUSE、プライベートクラウドソリューション「SUSE OpenStack Cloud 5」を発表
2015年3月24日(火)
SUSEは、エンタープライズ向けIaaS(Infrastructure-as-a-Service)プライベートクラウドソリューションの最新版、「SUSE OpenStack Cloud 5」の提供開始を発表した。
SUSE OpenStack Cloud 5(旧SUSE Cloud)は、最新版のOpenStack(Juno)をベースとしており、ネットワーキングの柔軟性と運用効率を高めることで、プライベートクラウドのシンプルなインフラ管理を実現する。また「サービス形態(as-a-service)」の各種機能により、開発部門やビッグデータ分析部門は、データセンターソリューションの新製品であるSUSE Enterprise StorageやSUSE Linux Enterprise Server 12と連携しつつ、短期間でビジネスソリューションを提供できる。
SUSE OpenStack Cloud 5は、エンタープライズ顧客に以下のメリットをもたらす。
- ネットワーキングの柔軟性強化
SUSE OpenStack Cloud 5では、新たなネットワーキング機能とサードパーティのOpenStackネットワーキング・プラグインのサポートが加わっている。特に、分散仮想ルーティングの実装に対応しており、個々のコンピュートノードは、ルーティングのタスクを個別もしくは、クラスタとしても、処理することが可能。SUSE OpenStack Cloudのインストールに際し、分散仮想ルーティングの構成を行うことで、コンピュートノードの追加に応じてネットワークを自動的に拡張できるほか、中央ルーターを通じたトラフィックが削減し、SPOF(単一障害点)の発生も抑えられることで、拡張性、パフォーマンス、可用性が向上する。 - 運用効率の向上
SUSE OpenStack Cloudはインストールフレームワークが強化されており、プライベートクラウド外で実行中の既存のサーバをクラウド環境へとシームレスに組み込むことができる。さらに、SUSE OpenStack Cloud 5は、ログの収集・検索を集中管理するため、クラウド管理者はクラウド業務を一元的に把握でき、問題の解決速度も向上する。 - SUSE Enterprise Storage、SUSE Linux Enterprise Server 12との連携
SUSE OpenStack Cloud 5は、クラウド内のコンピュートノードとしてSUSE Linux Enterprise Server 12をサポートしており、ユーザはKVMとXenの最新版を利用できる。SUSE Linux Enterprise Server 12のノードは、SUSE Linux Enterprise Server 11 SP3のノードとも共存可能。SUSE OpenStack Cloud 5は、最近発表されたCephベースのSUSE Enterprise Storageとも連携する。これにより、SUSE OpenStack Cloud内でオブジェクト、ブロック、イメージを保存可能な強力なプラットフォームが得られるだけでなく、これまでのSUSE OpenStack Cloudで利用できた、Cephコンポーネントのインストール時の手軽さはこれまでと変わらない。 - シンプルなサービス導入
大半のワークロードでは追加サービスが必要となるため、「サービス形態」モデルを標準化することで、こうしたサービスをユーザ側で管理・構成する必要がなくなり、インストール作業をよりシンプル・迅速に行える。サービス導入をシンプルにすることにより、開発作業やビッグデータに合わせた形で、プライベートクラウドをたやすく導入できる。
SUSE OpenStack Cloud 5には、データ処理プロジェクト「Sahara」も搭載されており、OpenStack上でのHadoopやSparkなど、データ集約型アプリケーション・クラスタのプロビジョニングも簡単に行える。SUSEとMapR社はこれまで、MapR Saharaプラグインを使用したSUSE OpenStack Cloud環境で動作するMapR Enterpriseのサポート提供で協業してきた。
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