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TISとあくしゅ、クラウド間の差異を吸収してシステムの可搬性を高める新技術の開発を開始

2015年5月27日(水)

TISとあくしゅは5月25日、ネットワークやストレージを含めたシステム全体をパターンとして記述する手法とクラウドを跨った資源管理を実現する仮想データセンター(VDC)技術を組み合わせ、ネットワークアーキテクチャなど様々なクラウド間の差異を吸収してシステムの可搬性を高めることで、「システムのクラウドロックイン」を打破する新しい技術(以下、本技術)を共同で開発することを発表した。

本技術を活用することで、様々なクラウド上でシステム構成や運用手順を定義したパターンから対象のシステムを構築できるようになる。加えて仮想データセンターがクラウドを跨ったデータ共有を可能にすることで、様々なクラウドを組み合わせたシステム構築が容易となり、異なるクラウド間でのシステムの可搬性(ポータビリティ)が、これまで以上に高まる。

本技術は、災害時のシステム復旧(Disaster Recovery)への応用や、システムライフサイクルに合わせた最適なクラウドへの乗り換え、一部のシステムを段階的にクラウドへ移行といったシーンでの用途を想定している。

本技術は、仮想ネットワークや仮想ストレージを実現するOSS(オープンソース・ソフトウェア)を組み合わせて実現され、本技術自体もOSSとして公開する予定。今後は、TISが開発したクラウドオーケストレーションソフトウェアの「CloudConductor(クラウド コンダクター)」と組み合わせ、本技術のエンタープライズシステムへの活用をTISとあくしゅでは目指す。

今後、両社では、様々なクラウドサービスが混在しオンプレミスへの活用も必須となる「ハイブリッド・マルチクラウド時代」に対応する仮想ネットワークなどの様々な技術開発を共同で進めていく。

・開発の背景

システム開発の現場では、ビジネスの要望に応じてシステムをタイミングよく迅速に提供する手法が望まれている。クラウドコンピューティングの登場により、この傾向は更に加速しており、システムのインフラにクラウドを活用するシーンでは、以下のようなニーズが増えている。

  • 様々なクラウド上で、容易にシステムを構築したい
  • 様々なクラウドを組み合わせて可用性を上げ、災害対策を実現したい
  • 新たなクラウドへ移行した際に、再設定の手間を無くしたい
  • 新たなクラウドへデータを移行する手間を無くしたい
  • どのようなクラウド上に構築したシステムであっても、同じ手順で運用したい

しかし、現状のエンタープライズシステムで活用されている各種のクラウドでは、ネットワークの機能性や提供されるサービスの内容が異なり、クラウドを越えてデータを流通させる仕組みも実装されていない。そのため、システムをクラウド間で移行する際には、移行先のクラウドのアーキテクチャの都合に合わせてインフラと運用を設計しなおし、クラウドを跨ってデータを共有させる仕組みも別途構築する必要があり、これがシステムの可搬性を下げ構築の手間を増やす一つの要因となっていた。

このようなクラウド個々の独自技術に依存してしまう「システムのクラウドロックイン」を打破することを目的に、TISとあくしゅは本技術の開発に着手した。

・2014年度の検証結果

TISとあくしゅは2014年度に、仮想データセンター実現のための第一歩として、クラウド間のネットワークアーキテクチャの差異を吸収し、クラウドを跨ってシステムの可搬性を高める技術と手法の開発・検証を共同で行った。この検証では、あくしゅが提供するオンプレミス上のプライベートクラウド(Wakame-vdc)と、パブリッククラウド(Amazon Web Services)を組み合わせ、OSSの仮想ネットワークソフトウェア「OpenVNet」を用いてクラウド間にレイヤ2ネットワークを延伸することで、クラウド間をシームレスに接続することに成功した。

本技術によりクラウド間のネットワークアーキテクチャ差異が隠蔽され、クラウドの都合に捉われず、任意に敷設した仮想ネットワークを前提にシステムを開発することが可能となる。

2015年度からは、仮想マシンの設定だけでなくネットワーク機能やストレージ機能をパターンとして記述する手法の開発・検証、およびクラウドを跨った分散ストレージの検証などに着手する予定。


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