グラフィカルユーザインタフェースとコマンドラインインタフェース
Windowsはグラフィカルユーザインタフェース(GUI)、Linuxはコマンドライン。大雑把な振り分けではありますが、多くの方がこのようなイメージを持っているのではないでしょうか?
GUIは具体的な操作方法を覚えていなくても、画面に表示される情報を頼りに操作することができますが、CUIではコマンドを知らなければ操作をすることができません。
これが、Windowsは簡単でLinuxは難しいと言われる所以でしょう。
実際には以前からどちらのOSもデスクトップ環境とコマンドラインインタフェースの双方を備えています *1。今回はこれらについて整理してみましょう。
GUI、デスクトップ環境
Windowsについては言わずもがな、GUIでの操作が一般的です。バージョンによって多少の違いはあるものの、基本的には統一されたインタフェースで操作することができます。
それに対しLinuxでは、いくつかあるデスクトップ環境から好みのものを選択することが可能です。代表的なものを上げると、GNOME、KDE、Xfceなどがあります。これらはX Window Systemの上で動作しています。
GUIについては「使いやすさ」が重要になることと思いますが、WindowsとLinuxとでどちらの方が使いやすいでしょうか?。もちろん好みにもよりますが、毎日のように触っているので慣れているということもあり、Windowsを選ぶ方が多いのではないでしょうか?
Linuxではシステムの設定をするための画面などが、選択したデスクトップ環境によって異なる場合があり、環境が変わると戸惑うことがあります。また日々良くなってきてはいますが、かつてはアプリケーション間のコピーなどの操作が面倒になることなどがありました。
WindowsはデスクトップのテーマやAeroなど、デザインへのこだわりもありますよね。
CUI、コマンドラインインタフェース
Linuxのコマンドラインはシェルによって操作を実行しますが、bash、sh、ksh、cshなど、いくつかの種類のシェルから好みのものを選択することができます。
利用するシェルの種類により、機能や操作方法、スクリプトの記述方法などが異なります。シェルになれない人にとっては、この差異によってしばしば混乱を招くことがあるようです。
これに対してWindowsでは、Windows PowerShellとコマンドプロンプトが用意されています。スクリプトを記述する場合は、Windows Script Host(WSH)を利用することもできます。
極めて基本的なコマンドは、Linuxと同じコマンド名で同等のことを実行できるものもあります。(表1)
さらにWindowsのエディションによってはUNIXベースアプリケーション用サブシステムという機能があり、これを利用することでcshやkshも利用することができます。
またWindows Server 2008であればインストール時にServer Coreオプションを選択することで、デスクトップ環境なしでのサーバー環境を構築することもできます。
コマンドを利用することのメリットは、スクリプトが記述できることや、パイプやリダイレクトによるアプリケーション間の連携が容易なことでしょう。
その点で皆さんは、多くのコマンドを利用することのできるLinuxのシェルでの経験の方が多いかもしれません。
しかしWindowsでもPowerShell 2.0で多くの高機能なコマンドが用意され、スクリプトを実行する環境としても洗練されてきました。
少しだけシステムの設定に目を向けてみましょう。
Windowsはシステムの設定がレジストリに保存されていることもあり、コントロールパネルなどのGUIでシステムやユーザーの設定を行うのが一般的です。PowerShell 2.0によりスクリプトでもできるようになりました。Active Directoryを利用している場合はそのグループポリシーにより複数のマシンの設定もおこなうことができます。
Linuxではシステムの設定がテキストファイルとして保存されていることが多く、以前はそのファイルを直接編集したり、コマンドで設定を行うことが一般的でした。しかし最近は、GUIでの設定もできるようになっています。(図1)
まとめ
GUIにおいてWindowsの優位性は変わらないものの、CUIについてはLinuxが出来上がってしまっている分、Windowsの機能向上が目覚ましく感じられます。
Linuxのシェルを使っている方にとっては、PowerShellは学習コストはかかるものの技術者として知っておかなければいけないものになってきているのではないでしょうか。
*1 ここではLinuxディストリビューションをLinuxと表現しています。
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