SQL文の移行
SQL文の移行
システム中に埋め込まれたSQL文を移行する場合は、PostgreSQLとOracleのSQL文の違いや、組み込みファンクションの違いに注意 する必要があります。特にSQL文の移行でポイントになるのは、SELECT文の移行です。Oracleにある便利な機能がPostgreSQLにはない ことが多いので、そうした場合の対処法について知る必要があります。
では、SELECT文でよく使用する機能について、PostgreSQLとOracleの違いを順番に見ていきましょう。
列の別名
エイリアスとも言いますが、PostgreSQLでは列に別名を付ける際には、必ずASを付けます。逆にOracleでは必ずしもASを付ける必要はありません。
PostgreSQLの場合
SELECT 担当者名AS "担当者(1960年代)",
生年月日
FROM 担当者マスタ
WHERE 生年月日 '1970-1-1';
Oracleの場合
SELECT 担当者名"担当者(1960年代)",
生年月日
FROM 担当者マスタ
WHERE 生年月日 '1970-1-1';
その結果は両方とも同じです。
担当者(1960年代) |
生年月日 |
| -------------------- | -------- |
鈴木 |
60-01-23 |
小野 |
60-08-02 |
斎藤 |
63-10-15 |
DUAL表
Oracleでは、SELECT文で特定の表を必要としない場合には、DUAL表というダミーの表を用います。
SELECT |
1+1 |
FROM DUAL; |
|
1+1 |
|
------ |
---- |
|
|
2 |
|
いっぽう、PostgreSQLではDUAL表のようなものは必要ありません。
SELECT |
1+1; |
|
|
?column? |
|
---------- |
|
2 |
|
(1 row) |
|
しかし、Oracle用に書かれたすべてのSQL文を探し出して、FROM DUALを削除するのは面倒です。そこで、PostgreSQLに次のような同名のビューを作成してしまえば移行がラクになります。
CREATE VIEW dual AS
SELECT 'X'::varchar(1) as DUMMY;