PostgreSQLとOracleによるデータベース相互移行マニュアル 3

SQL文の移行

SQL文の移行

   システム中に埋め込まれたSQL文を移行する場合は、PostgreSQLとOracleのSQL文の違いや、組み込みファンクションの違いに注意 する必要があります。特にSQL文の移行でポイントになるのは、SELECT文の移行です。Oracleにある便利な機能がPostgreSQLにはない ことが多いので、そうした場合の対処法について知る必要があります。

   では、SELECT文でよく使用する機能について、PostgreSQLとOracleの違いを順番に見ていきましょう。

列の別名

   エイリアスとも言いますが、PostgreSQLでは列に別名を付ける際には、必ずASを付けます。逆にOracleでは必ずしもASを付ける必要はありません。

PostgreSQLの場合

SELECT 担当者名AS "担当者(1960年代)",
         生年月日
   FROM 担当者マスタ
   WHERE 生年月日 '1970-1-1';

Oracleの場合


SELECT 担当者名"担当者(1960年代)",
         生年月日
   FROM 担当者マスタ
   WHERE 生年月日 '1970-1-1';

   その結果は両方とも同じです。



担当者(1960年代)  生年月日
--------------------  --------
鈴木  60-01-23
小野  60-08-02
斎藤  63-10-15

DUAL表

   Oracleでは、SELECT文で特定の表を必要としない場合には、DUAL表というダミーの表を用います。

SELECT 1+1 FROM DUAL;
  1+1  
------ ----  
   

   いっぽう、PostgreSQLではDUAL表のようなものは必要ありません。

SELECT 1+1;
    
?column?  
----------  
2    
(1 row)    

   しかし、Oracle用に書かれたすべてのSQL文を探し出して、FROM DUALを削除するのは面倒です。そこで、PostgreSQLに次のような同名のビューを作成してしまえば移行がラクになります。
 

CREATE VIEW dual AS
  SELECT 'X'::varchar(1) as DUMMY; 

 

この記事をシェアしてください

人気記事トップ10

人気記事ランキングをもっと見る