PostgreSQLとOracleによるデータベース相互移行マニュアル 9

ストアドプロシージャの移行(1)

GREATESTとLEAST関数   ファンクションの移行についての説明は今回で最後となります。列の値を返すファンクションとビット列に関する関数を説明し、ストアドプロシージャの移行について紹介します。

奥畑 裕樹

2005年12月2日 20:00

GREATESTとLEAST関数

   ファンクションの移行についての説明は今回で最後となります。列の値を返すファンクションとビット列に関する関数を説明し、ストアドプロシージャの移行について紹介します。

   Oracleには、複数の値の中から最も大きいものを返すGREATEST関数と、最も小さいものを返すLEAST関数があります。


 

SELECT GREATEST ('HARRY', 'HARRIOT', 'HAROLD')
  "Greatest" FROM DUAL;

   PostgreSQLには同じような関数はありませんが、配列を引数に取るストアドプロシージャ(リスト10)を作成することで同様の結果を得ることができます(リスト10のIF文の比較演算子を「」に変えれば、LEAST関数になります)。



CREATE OR REPLACE FUNCTION
  GREATEST(TEXT[]) RETURNS TEXT AS '
DECLARE
  ARRY ALIAS FOR $1;
  GREATEST TEXT;
BEGIN
  GREATEST := ARRY[1];
  FOR I IN 1 .. ARRAY_UPPER(ARRY,1) LOOP
    IF ARRY[I] > GREATEST THEN
      GREATEST := ARRY[I];
    END IF;
  END LOOP;
  RETURN GREATEST;
END;
' LANGUAGE 'PLPGSQL';

SELECT GREATEST( ARRAY['HARRY', 'HARRIOT', 'HAROLD'] )
  AS "Greatest";

リスト10:ストアドプロシージャGREATESTの作成


   実行結果は次のようになります。

 



 Greatest
----------
 HARRY
(1 row)

   OR REPLACE句を使うと、上述したDROP FUNCTION文を実行せずに、ストアドプロシージャを再定義することができます。

 

BITAND関数

   Oracleでは、ビットごとにAND演算をするためにはBITAND関数を使用します。
 

SELECT BITAND( 2, 6 ) FROM DUAL;

   PostgreSQLにはビット演算子がありますので、それを使用します。



SELECT 2 & 6;

   実行結果は次のようになります。



 ?column?
----------
       2
(1 row)

 

BIN_TO_NUM関数

   Oracleには、1と0の繰り返しを数値に変換する、BIN_TO_NUM関数があります。
 

SELECT BIN_TO_NUM(1,0,1,0) FROM DUAL;

   PostgreSQLにはビット列型があり、ビット列の定数はB'1010'のように、文字列に近い表記で表すことができます。これを整数型にキャストすることで同じ効果を得られます。



SELECT CAST( B'1010' AS INTEGER )
  AS "BIN_TO_NUM(1,0,1,0)";

   実行結果を見てみましょう。



 BIN_TO_NUM(1,0,1,0)
---------------------
                 10
(1 row)

 

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