PostgreSQLとOracleによるデータベース相互移行マニュアル 10

制御構造

制御構造


   Oracle、PostgreSQLともに、基本的な制御文は同じものが揃っており、そのまま通用します。

  • IF THEN

  • IF THEN ELSE

  • IF THEN ELSE IF

  • IF THEN ELSIF THEN ELSE

  • LOOP

  • WHILE LOOP

  • FOR LOOP

GOTO文


   ただしPL/pgSQLでは、GOTO文がサポートされていません。しばしばGOTO文は、上述した制御構造では簡単には記述できない場合に使用されます。他の制御構造で代用した場合には、変換に手間取ることがあるでしょう。

 

RETURN文


   単一の値を返すPL/SQLのストアドファンクションでは、RETURN文が最低1つは必要です。同じように、PL/pgSQLでもRETURN文が1つは必要なことに注意してください。

   一方、PL/SQLのストアドプロシージャでRETURN文を使うとエラーになることに注意してください。これは、PL/SQLのストアドプロシージャでは、OUT系パラメータ(後述)を使って値を返すためです。

 

NULL文


   OracleではNULL文が使えますが(リスト14)、PostgreSQLではNULL文は許されていません(リスト15)。しかし、NULL文は実質的に何もしない文なので、単純に削除すればOKです。
 

BEGIN
  NULL;
END;

リスト14:OracleのNULL文


CREATE FUNCTION HAS_ERROR()
  RETURNS VOID AS '
BEGIN
  NULL;
  RETURN;
END;
' LANGUAGE 'plpgsql';

SELECT HAS_ERROR();

リスト15:PostgreSQLのNULL文(エラー)


   リスト15を実行するとエラーになります。

 

 

パラメータ

   PostgreSQLは、Oracleのような名前付きパラメータ宣言(リスト16)に直接対応していませんが、ALIAS FORを使えば間接的に対応することができます(リスト17)
 

CREATE FUNCTION
  SAY_A_IS_B( A VARCHAR2, B VARCHAR2 )
RETURN VARCHAR2 IS
BEGIN
  RETURN A || ' is ' || B;
END;

リスト16:Oracleの名前付きパラメータ宣言


CREATE FUNCTION
  SAY_A_IS_B( TEXT, TEXT )
RETURNS TEXT AS '
DECLARE
  A ALIAS FOR $1;
  B ALIAS FOR $2;
BEGIN
  RETURN A || '' is '' || B;
END;
' LANGUAGE 'plpgsql';

リスト17:PostgreSQLでのALIAS FORの利用


SELECT SAY_A_IS_B('dog', 'animal')

   実行結果は次のとおりです。



  say_a_is_b
---------------
 dog is animal
(1 row)

 

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