Xenのパフォーマンスはどうなの?
既にあちらこちらで説明されていますが、XenはオープンソースなVMモニタの実装です。VMモニタということは「性能が落ちるんじゃないの?」と いう話がでてくるかとは思いますが、実際にどうなのでしょうか。そこで、本連載ではXenのパフォーマンスについて検証していきます。
今回の検証は筆者自らの環境で行ったものであり、本連載の検証で使うハードウェアは以下の通りです。
- CPU:Pentium4 600(3GHz)
- メモリ:3GB
- HDD:300GB
システムの詳細構成
今回の評価システムですが、ハードウェアは先のとおりで、以下の要件を揃えました。
- Xenのバージョンは3.0.1
- ドメイン0/ドメインUともにシステムはDebian GNU/Linux 3.1(Sarge)ベース
- ドメインUに割り当てるメモリはどちらも1GB
- ネットワークはbridgeを用いる
- ドメインUで使用するファイルシステムは、「phy:」で論理パーティションを指定するのではなく、「file:」で指定される仮想ディスクファイル上に構築する
なお、カーネルについては筆者の実使用環境を反映して、若干の構成変更をしていますが、今回の評価に大きなインパクトを与えるものではありません。
cpuinfoの内容の確認
ドメイン0とドメインUにおけるcpuinfoの内容を以下に示します。値に若干のばらつきがありますが、ドメイン0とドメインUで、ほぼ同じ内容が返却されていることがわかります。次にそのcpuinfoの内容を示します。
ドメイン0におけるcpuinfoの内容
ドメインUにおけるcpuinfo(その1)
ドメインUにおけるcpuinfo(その2)
このように内容はほぼ同じですが、これは「すべてのドメインで等しくそのCPUの性能がフルに使える」という意味ではありません。ここで見えてるCPUの実体は1個です。そうなると、そのCPUの性能をドメインの間で分け合うということになります。
そこで次2つの観点から、性能を考察してみましょう。
- ドメイン0での性能を見る
- ドメインUでの性能を見る


