Xenのパフォーマンステスト 〜どこまで性能がでるの? 1

CPUのパフォーマンスチェック

Xenのパフォーマンスはどうなの?   既にあちらこちらで説明されていますが、XenはオープンソースなVMモニタの実装です。VMモニタということは「性能が落ちるんじゃないの?」と いう話がでてくるかとは思いますが、実際にどうなのでしょうか。そこで、本連載ではXenのパフォーマンスについて検証してい

宮本 久仁男

2006年9月27日 20:00

Xenのパフォーマンスはどうなの?

   既にあちらこちらで説明されていますが、XenはオープンソースなVMモニタの実装です。VMモニタということは「性能が落ちるんじゃないの?」と いう話がでてくるかとは思いますが、実際にどうなのでしょうか。そこで、本連載ではXenのパフォーマンスについて検証していきます。

   今回の検証は筆者自らの環境で行ったものであり、本連載の検証で使うハードウェアは以下の通りです。

  • CPU:Pentium4 600(3GHz)
  • メモリ:3GB
  • HDD:300GB
表1:ハードウェア構成

システムの詳細構成

   今回の評価システムですが、ハードウェアは先のとおりで、以下の要件を揃えました。

  • Xenのバージョンは3.0.1
  • ドメイン0/ドメインUともにシステムはDebian GNU/Linux 3.1(Sarge)ベース
  • ドメインUに割り当てるメモリはどちらも1GB
  • ネットワークはbridgeを用いる
  • ドメインUで使用するファイルシステムは、「phy:」で論理パーティションを指定するのではなく、「file:」で指定される仮想ディスクファイル上に構築する
表2:評価システムの要件

   なお、カーネルについては筆者の実使用環境を反映して、若干の構成変更をしていますが、今回の評価に大きなインパクトを与えるものではありません。

cpuinfoの内容の確認

   ドメイン0とドメインUにおけるcpuinfoの内容を以下に示します。値に若干のばらつきがありますが、ドメイン0とドメインUで、ほぼ同じ内容が返却されていることがわかります。次にそのcpuinfoの内容を示します。

ドメイン0におけるcpuinfoの内容


(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

ドメインUにおけるcpuinfo(その1)


(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

ドメインUにおけるcpuinfo(その2)


(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   このように内容はほぼ同じですが、これは「すべてのドメインで等しくそのCPUの性能がフルに使える」という意味ではありません。ここで見えてるCPUの実体は1個です。そうなると、そのCPUの性能をドメインの間で分け合うということになります。

   そこで次2つの観点から、性能を考察してみましょう。

  • ドメイン0での性能を見る
  • ドメインUでの性能を見る
表3:性能比較の観点

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