Hatohol、Zabbixの活用テクニック紹介 OSS運用管理勉強会 第5回レポート
OSS運用管理勉強会による第5回セミナーが6月4日に開催されました。
OSS運用管理勉強会は、オープンソースの運用管理ツールを企業システムで活用するための情報交換や情報発信を目的として活動している非営利団体です。2013年に設立されて以降、定期的にセミナーを開催していますが、参加者は毎回定員に達する盛況ぶりで、OSSによる運用管理についての関心の高さが伺えます。
第5回セミナーでは会員企業であるユニアデックス株式会社のセミナールームをお借りして2つの講演が行われました。
「運用統合ソフトウェアHatoholのご紹介」大和 一洋氏(ミラクル・リナックス株式会社)
「Zabbix徹底活用術の紹介」池田 大輔氏(TIS株式会社)
講演資料は勉強会案内ページに公開されていますのでよろしければご参照ください。以下、講演内容からいくつかピックアップして紹介します。
運用統合ソフトウェアHatoholのご紹介
最初の講演は大和氏からHatoholについての解説。
Hatoholの概要
Hatoholは複数の監視サーバーにつながる機器を一括監視することを可能にする運用統合ソフトウェアです。ZabbixやNagiosといった、複数の独立した監視サーバーの情報をHatoholに集約し、監視情報の一元化を実現しています。Hatoholから管理する監視サーバーは追加・削除することができるため、監視サーバーをスケールアウトさせて監視能力を拡張し、監視対象機器の増加に対応することが可能です。
OSSでシステムの統合管理を実現するには、複数のツールを組み合わせて環境を作り込む必要がありました。Hatoholでは既存のOSSを積極的に活用し、商用製品から乗り換え可能なレベルの統合管理ツールとなることを目指しています。
Hatohol開発プロジェクト
開発コミュニティはミラクル・リナックスの社員の有志を中心に設立しました。開発はGithub上で行い、オープンソースとしてGPLv2ライセンスで公開しています。2013年にレポジトリを一般公開してから3ヶ月間隔で順調にリリースを重ねています。
現在のところ、安定性よりも機能追加やUIの改良を優先して開発を行っています。
Hatoholの技術的概要
アーキテクチャはサーバークライアントモデルを採用しており、サーバー側はC++、クライアントはPython(Django)により実装しています。サーバー側はREST APIによる操作も可能なため、利用者で独自にクライアントを実装することも可能です。
今後の開発計画
開発方針として2つの軸に注力して進める予定です。
- 運用統合機能の拡充
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- インシデント管理(イベント発生時にRedmineに自動起票)
- ログ管理(Fluentd連携)
- グラフ表示
- ホスト管理(管理対象ホストの設定支援機能)
- 監視対象システムの拡充
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- OpenStack連携(ホスト、ゲストの統合管理)
- 仮想環境上のZabbixServer管理等
なお、本プロジェクトは経済産業省の公募案件に採択されたとのこと(平成26年度中小企業等のクラウド利用による革新的省エネ化実証支援事業クラウド基盤ソフトウェア導入実証)。
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