Mac+Linuxの使い勝手を比較!
進化する仮想マシン
本連載の原稿執筆中に、2つの仮想化アプリケーションでメジャーバージョンアップがありました。
1つはVirtualBox 2で、サンマイクロシステムズが2008年9月5日にリリースしました。もう1つはVMware Fusion 2で、VMware2008年9月16日にリリースしました。
VirtualBox 2での大きな変更点は、ネットワーク接続がNAT以外にホストオンリーとブリッジをサポートし、ParallelsやVMwareに追いついたことでしょう。特にサーバーのテストなどではネットワーク環境を構築することが多いので、これらをサポートしたことは非常に大きな進化です。またユーザーインターフェースがLeopardの標準インタフェースに準拠するようになりました。
VMware fusion 2の最大の特徴は、OS Xサーバーを仮想マシンの上で稼働させることができるようになったことです。ParallelsはParallels Desktopの上位版に当たるParallels ServerでのみOS Xサーバーの稼働をサポートしています。
また、今回説明するスナップショット機能が、今まで1件しか保存できなかったものが、複数保存できるようになりました。サーバーなどでテストを行う時にネックになっていた点なので大きな改善です。
さらにWindows環境では、Direct3Dのパフォーマンスが改善し対応範囲も広がったとのことです。
今回のアップデートで、2つのアプリケーションとも大きく進化し、細かい使い勝手で一歩抜き出ていたParallelsに追いついた印象を受けます。
特にVMwareは、複数のスナップショット対応や、アンチウイルスソフトウエアの添付など、サーバー、クライアント、どちらの方向も大きく機能強化しました。
上記の機能追加に加え、非公開の隠し機能として、モニター無しの仮想マシンを起動しておき、必要な時にVNCでつなげるといったヘッドレス機能も搭載されているようです。これはモニターのいらないサーバーの仮想マシンを起動する場合にはメモリの節約になる機能です。今後のバージョンアップで正式にサポートされることが期待されます。今回のアップデートのポイントを図1にまとめました。
アプリケーション側だけではなく、CPU側も仮想化支援機能を強化しているので、仮想化アプリケーションの進化は今後まだまだ続きそうです。
Windows以外のOSを仮想環境で利用してみる
「第3回:Mac+Windowsの使い勝手を比較!(http://www.thinkit.co.jp/article/128/3/)」では、Windowsを仮想マシンで稼働させて見ましたが、もちろん仮想マシンで動くのはWindowsだけではありません。
Think ITの読者には、仕事や趣味でLinuxのPCサーバーを使っている方も多いのではないでしょうか。
多くの仮想マシンは、Windows PCにインストールできるOSであれば、ほとんどのOSを動かすことができます。
Parallels、VMWare、VirtualBoxは公式にLinuxのサポートをうたっているので、新しい仮想マシンを作る時にOSの種類を指定することで、適切な設定がされるようになっています。
Parallels、VMWare、VirtualBoxのサポート度合いに若干の違いがありますが、どの仮想マシンでも、サーバーとして利用するには、ほとんど違いがありません。ただ、本体の性能としてはあまり違いがありませんが、スナップショット機能に違いがあります。次は、そこに焦点を当てて比較してみましょう。