疲弊するWebサイト構築・運用の現状を考える

激変するWebサイトを取り巻く環境
1990年代の後半から現在に至るまで、インターネットの普及には目を見張るモノがあります。インフラコストの下がり方も、普及に大きく貢献しているはずです。
この10年で一番大きく変化したモノは何でしょうか?
もちろん、インターネットのエンジニアリングも劇的に成長しました。しかしそれ以上に、この世界に変化をもたらした最大の要因は、ユーザーが普通に、ツールとしてインターネットを利用し始めたことにほかなりません。
何だそんなことか、と思われる方もいるかと思いますが、このことがWeb構築に与える影響は想像以上です。それは、トップページの直帰率の上昇(アクセス解析用語、訪問したけれども、クリックせずに離脱したユーザーの数を、訪問者数と比較した割合)という事実で、確認することができます。
この5年だけを見ても、直帰率は劇的に向上しています。ユーザーは、TOPページから入ってくるだけではない!この事実は、ユーザービリティーのあり方を大きく変えるでしょうし、そもそもWeb構築手法も変革していくのです。
しかもユーザーは、素早く情報を手に入れたい、そして自分の問題を少ない手順で、分かりやすく解決したい、そんな要望を叶えてくれるのが、インターネットだと言うことを理解したと言うことです。
図1:あるECショップにおけるユーザーの最も多い導線(クリックで拡大) ある化粧品専業のECショップで、一番アクセスの多い導線。ユーザーの50%以上が化粧品ブランドからサイトに入ってくる。Topページからの流入は30%程度。 |
この事実をWeb制作者やコンテンツ提供者(企業)は、真摯に受け止め、これに対応できるWebサイトの構築を目指すべきです。
自分たちの運用を楽にするのではなく、お客さまの利便に適応できるサイトを構築する。
それは、運用がやりやすいサイトであるはず。アクセス解析が必要なのではなくPDCAサイクルを回して、ユーザーがより利用しやすいサイトを構築する。そう考えれば、おのずとどこのチェックが必要か、数字を取るべき場所がまず明確になるはずです。
全ては、ユーザーのために。
これこそが、激変するWebサイトを取り巻く環境の元、目指すべき指針にほかなりません。