Zabbix1.8 から 2.0への移行
Zabbix2.0から変更になったマクロへの対応
Zabbix2.0では、マクロ{IPADDR}が{HOST.IP}に変更になっています。アラートメールの設定等、{IPADDR}を利用している場合には{HOST.IP}に変更してください。
ソフトウェアのサポートバージョン変更への対応
表1:サポートバージョン変更ソフトウェア一覧
ソフトウェア | 1.8でのサポートバージョン | 2.0でのサポートバージョン |
---|---|---|
PHP | 5.0以上 | 5.1.6以上 |
MySQL php-mysql |
3.22以上 | 5.0以上 |
PostgreSQL php-pgsql |
7.0.2以上 (Zabbix 7.4以上(Zabbix >=1.8.9) | 8.0以上 |
サーバーにインストールしているPHPやデータベースのバージョンが古い場合には正しく動作しない恐れがあるため、状況に応じてソフトウェアのバージョンアップを行ってください。
これ以外にもIE6,7ブラウザがサポート対象外になるなど、いくつかの変更があります。詳細はZabbixの公式マニュアルを確認してください※4。
xmlファイルエクスポート/インポートによる設定移行
これまでは、Zabbix全体をバージョンアップする方法を紹介してきましたが、以下は、Zabbix1.8の設定情報のみの移行について紹介します。
「監視結果の情報は必要ないが、Zabbix1.8で行った監視設定はZabbix2.0でも利用したい」という方は以下の作業を実行してください。
※注:Zabbix全体をバージョンアップした方は以下の手順は不要です。
Zabbixにはxmlファイルのエクスポート/インポート機能があります※5。この機能を利用することで、Zabbix1.8からエクスポートしたxmlファイルをZabbix2.0にインポートできます。
テンプレート移行時の注意点
テンプレート設定を移行する場合の注意点としては、エクスポートしたxmlファイルには「テンプレートがどのホストに割り当てられているか」についての情報も全て含まれているため、インポートする際に、以下の図の項目をチェックする必要があります。
この項目のチェックにより、テンプレートが割り当てられているホストが存在しない場合でもテンプレートが登録できます。
図1:テンプレートインポート画面(クリックで拡大) |
ホスト移行時の注意点
テンプレートを割り当てているホストの情報をZabbix2.0にインポートしようとした際、そのテンプレートがZabbix2.0側で未登録のものだと、エラーが発生しインポートに失敗します。必要なテンプレートの設定を事前にインポートしてください。
※注:記事執筆時点のZabbix2.0RC2版で発生している現象です。最新のZabbix2.0では修正されているかもしれません。
マルチインタフェースへの対応もZabbix側で自動的に登録を行います。
図2:インポートされたホストの設定確認画面(クリックで拡大) |
マップやスクリーンの設定のインポート/エクスポートに関しても同様の要領で行うことが可能です。
まとめ
Zabbix2.0ではテーブル設計など変更箇所が多数あるため、移行には十分気をつける必要があります。
可能であれば、Zabbix1.8の環境を残しつつ、Zabbix2.0を構築し、設定等が正しく移行され、監視に漏れが発生していないかどうか並行運用する期間を設けるといいかもしれません。
次回は、少し発展したZabbixの使い方ということで、Zabbix2.0から正式にサポートされるようになったZabbix APIについて紹介したいと思います。
【参考URL】
<リンク先最終アクセス:2012.04>