ソフトウェア販売に革新を起こす「クラウド自動販売機」のエコシステム

2013年7月4日(木)
Think IT編集部

シンプルな管理画面を通じてサービスのプランを組み立てる

ここで、実際のクラウド自動販売機の管理画面を交えつつ、具体的にどうやってサービスのプランを組み立てていくのかを紹介しておきたい。

画面1は、販売パートナー各社に用意されるクラウド自動販売機のトップ画面である。現時点で自社が提供しているサービスの全体像をここで把握することができる。

画面1:販売パートナー向けのトップ画面
画面1:販売パートナー向けのトップ画面

画面2は、クラウド自動販売機を通じて自社が販売するサービスを管理する画面である。自社開発したサービスだけではなく、他のパートナーが開発したサービス、業界標準として普及している主要なソフトウェア製品をこの一覧から選択して販売することができる。

画面2:どのサービスを提供するかを選択する「アプリケーションマネージャ」
画面2:どのサービスを提供するかを選択する「アプリケーションマネージャ」

画面3は、販売にまつわる業務プロセスを組み立てていく管理画面である。表示された一覧から必要な機能を選択し、フローを組み立てて対象サービスに紐づけていく。これにより、ショッピングカートから顧客管理、請求、決済、回収まで、すべての販売プロセスを自動化することができる。

画面3:販売プロセスを定義する「プランマネージャ」
画面3:販売プロセスを定義する「プランマネージャ」

ユーザーと“リアル”につながるサポートネットワークを目指す

将来に向けてライドは、このクラウド自動販売機を中心に構築されたエコシステムを、どのように発展させていこうと考えているのだろうか。1つの方向性として構想しているのが、「Webサイトだけではなく、ユーザー企業と“リアル”に結びついていくネットワークの拡大」であるという。

前述のように、ライドがターゲットとするユーザーは中小企業だ。そのなかでも特に従業員数10名程度、あるいはそれ以下の企業の場合は、SaaSでさえも利用するのは荷が重く、ベンダーによる訪問を含めたサポートを期待しているケースが少なくない。だが、「当社やパートナー各社が単独でビジネスを行っているのでは、全国各地のユーザー企業に対して訪問を含めたきめ細かなサポートを行うことは困難です」と中野氏。

そこで、クラウド自動販売機のエコシステムを活かし、複数のパートナー同士が連携しあうことで、そのようなきめ細かなサポートの実現も狙う。「中小企業のお客様にとって、ITの活用は今なお大きな課題です。クラウド自動販売機のエコシステムによって、そうしたお客様のビジネスをより強力にバックアップできるようになることが目標です」と中野氏は展望を語る。

今後、大手クラウドベンダーが、クラウド自動販売機と同様のビジネスモデルに乗り出してくる可能性もある。だが、仮にそうなったとしても、彼らが不特定多数のユーザーを相手にしたリアルなサポートまで手を広げるのは困難であろう。クラウド自動販売機ならではの価値として、リアルなサポートネットワークはエコシステム全体に高い競争力をもたらしていくはずだ。

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