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1台わずか25ドル! イギリス生まれの超小型ボードPC「Raspberry Pi」 後編

2013年7月16日(火)
インプレスジャパン コンピューターテクノロジー編集部

Raspberry Pi コミュニティ

Raspberry Piコミュニティは、私たちの最大の誇りの1つである。2011年5月にRoryが動画を投稿した直後に、Raspberry Piコミュニティはwww.raspberrypi.orgでまったく飾り気のないブログとしてスタートし、それからまもなく、同じWebサイトでフォーラムが立ち上がった。フォーラムのメンバー数は50,000人を超え、Raspberry Piに関する機知と知恵が28万件以上も投稿されている。Raspberry Piに関して、あるいはプログラミング全般に関して質問したいことがあれば、どんなに難解なことであっても、そ

こにいる誰かが答えを持っているはずだ。本書で見つからなかった答えは、フォーラムで見つかるだろう。

Raspberry Pi Foundationでの筆者の役割の1つに、ハッカーグループ、コンピュータ関連のカンファレンス、プログラミング団体などでの講演活動がある。聴衆の中には、Raspberry PiのWebサイトで筆者かコミュニティを管理している妻のLizと話をしたことがある人が常にいる。そして、私たちのよい友人になる人もいる。Raspberry PiのWebサイトでは、この瞬間もリクエストが行き交っている。

現在では、ファンサイトの数も数百に上っている。コミュニティのメンバーが毎月発行している「The MagPi」※4というファン雑誌もあり、コードリストや大量の記事に加えて、プロジェクトガイドやチュートリアルなどが掲載されている。筆者にとって、雑誌や書籍に掲載されていたサンプルゲームはプログラミングへの早道だった。筆者がBBC Microcomputerで最初に経験したプログラミングは、サンプルのヘリコプターゲームに変更を加えて、敵とアイテムを追加するというものだった。

私たちは、Raspberry Piに関する興味深い記事を1日1回は欠かさずにブログ ※5 に投稿している。ブログで会えるのを楽しみにしている。

  • ※4 http://www.themagpi.com/ から無料でダウンロードできる。
  • ※5 http://www.raspberrypi.org/

Raspberry Piの購入希望者のメーリングリストには10万人が登録されていて、全員が初日に注文していた。案の定、これはいくつかの問題に発展した。

まず、10万台のRaspberry Piを箱詰めして郵送したら、指がボロボロになるのは目に見えている。そして、この作業を代行してくれる人を雇えるような余裕はまったくなかった。商品の保管場所はJackのガレージしかなかった。10万台のデバイスを一気に組み立てるための資金を募ることはとてもできなかった。2〜3週間おきに2,000台ずつ組み立てることを想定していたが、ここまで注目されたのでは、時間がかかりすぎて、どうにかすべての注文をさばいた頃には見向きもされなくなっているだろう。製造と流通をあきらめ、そのためのインフラと資本がすでに整っているところに引き渡す必要があることは明らかだった。

そこで、世界各地で事業を展開しているイギリスのマイクロエレクトロニクスベンダーであるelement14とRS Componentsに連絡を取り、実際の製造と流通を世界各地で展開してもらう契約を結び、私たちは開発とRaspberry Pi Foundationのチャリティという目標に専念できるようになった。

それでも、初日に問い合わせが殺到し、その日はelement14とRS ComponentsのWebサイトがほとんどダウンする事態となった。element14は1秒間に7件の注文を受け、2月29日の数時間は、世界中でGoogleでの「Raspberry Pi」の検索数が「Lady Gaga」の検索数を超えていた。これを書いているのは2012年6 月の初めだが、element14とRS Componentsは依然としてRaspberry Piの販売を1人1台までとしている。

それでも、販売を開始してから3カ月間の注文数は50万台を突破している。element14とRS Componentsは、受注分の出荷が完了したら、複数台の注文ができるようにする予定である。仮に、最初の計画のままだったら、今頃は大学のオープンキャンパスの日に向けてデバイスを100台くらい手作りし、それで終わっていたことだろう。

何かの間違いで大きなコンピュータ会社を経営することになったりしたら、それはそれで血圧に悪そうだ。

5月25日に都内で開催された「Big Raspberry JAM TOKYO 2013」の様子。会場は早くから満席になった。
著者
インプレスジャパン コンピューターテクノロジー編集部

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