100Gイーサネット回線の利用例、今後の期待と課題
第1回では、イーサネットの現在までの歴史と、近年のトラフィック需要の増加、およびその課題について紹介しました。 また第2回では、100Gイーサネット回線の技術的な詳細と、100G移行に向けて必要な条件などを解説しました。
最終回の今回は100Gイーサネット回線の活用例や今後の課題、将来の展望についてお伝えします。
100Gイーサネット回線の活用例
100Gイーサネット回線が活用される場面として、主にデータセンターファブリック内とデータセンター間接続の2つのケースが考えられます。
データセンターファブリックへの100GE回線の利用例
データセンターファブリックでは、サーバーの仮想化に伴う各サーバーハードウェアの使用効率向上のために100Gイーサネット回線が必要とされています。現在サーバーのネットワークインターフェース(NIC)は1000Base-Tが主流ですが、既に10G NICの出荷も始まっており、今後は10G化がさらに加速するといわれています。
そしてそのサーバーを収容するラック内スイッチ(通称ToR:Top of Rack)のポート高密度化・広帯域化により、ラック内スイッチのアップリンクポートは10G複数本によるマルチパスを採用するのが現在主流となっています。 しかし、複数のラック内スイッチを集約するアグリゲーションスイッチまたはコアスイッチではさらなる広帯域化が必要とされているため、データセンター内における100Gイーサネット回線の導入が進んでいます(図1)。
データセンター内では主として安価な100GBASE-SR10インターフェースが使われますが、連載2回目でも述べた通り、100Gイーサネット回線を使用する場合は新規に24芯のリボンケーブルを敷設するか、20本のマルチモードファイバケーブル(OM3 or OM4)の割り当てが必要となり、スイッチのインターフェース側はMPO(Multi-Fiber Push On)コネクタ(下図2・3)で終端されている必要があります。