コンテンツ管理や情報漏えい防止に力を発揮するECM、Alfrescoとは
オープンソースのコンテンツプラットフォーム
- Alfresco -
Alfrescoは2005年にDocumentumの創設者のJohn NewtonとBusiness Object COOのJohn Powellが中心となって設立された、オープンソースのコンテンツプラットフォームを提供する会社です。設立から20年以上も経つような他のECMベンダーに比べると若い会社ですが、そのマネジメントチームは、ORACLEやFileNet等の長年ECMに取り組んできた優秀なスタッフ(タレント)で構成され、コンテンツプラットフォームをオープンソースとして、1から作り直すことを目指しました。
2005年の設立当初に利用できた新しい技術、例えば、Spring Frameworkで提供されるDI(Dependency Injection)や、AOP(Aspect Oriented Programming)、Web Scripts、Java Scriptのようなスクリプト言語をリポジトリのフレームワークとして利用しながら、様々なビジネスシーンに対応できるよう、柔軟なデータモデルを構成できるシステムになっています。
このため、最近のクラウドへの対応や、マルチテナンシー(1つのインスタンス上で複数ドメインのユーザーとコンテンツを管理)、モバイルへの素早い対応など、製品の拡張性が高いだけではなく、メンテナンス性に優れたアーキテクチャと言えます。また、Alfrescoが提供するサービスは、業界標準であるCMIS, JSR-170 に準拠しており、開発者は他システムとのインテグレーションや、独自ユーザーインターフェース等のシステム構築を簡単にすることができます。
Alfrescoは従来型のオンプレミス版である“Alfresco One”の他に、パブリッククラウドでのコンテンツプラットフォームサービス、“Alfresco in the cloud”を提供しています。このAlfresco in the cloudでは、オンプレミスと同等のユーザーインターフェースおよび機能を無償で提供しており、すぐに利用することが可能です。
特筆すべきこととして、Alfrescoはこのクラウド環境とオンプレミス環境のコンテンツを常に同期するEnterprise Cloud Syncを用意しています。Enterprise Cloud Syncによって、例えば、クラウドには取引先のパートナーを登録し、共有したいドキュメントを同期することで、社外のユーザーが社内のコンテンツリポジトリにアクセス することなく、情報をセキュアに共有することができます。
Alfrescoは、iOSとAndroidの両方に対応したモバイルアプリケーションを提供しています。これらはダウンロードしたらすぐに、会社にあるオンプレミスのAlfrescoサーバー、またはAlfresco in the cloudの環境にアクセスし、最新のドキュメントを取得することができます。
訪問先のミーティングで急に必要になったドキュメントをモバイルデバイスからアクセスすることはもちろん、工事現場の写真をその場で撮影し、これをプロジェクトのメンバー全体にすぐに共有するといった使い方も簡単です。
また、Alfrescoのモバイルアプリケーションからワークフローも使うことができるので、いつでもどこでも、社内稟議の承認や、開発ドキュメントのレビューを行うことができ、ビジネスプロセスを迅速に進めることができます。
次にAlfrescoの主な機能について説明します。
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