1ランク上のPHP技術者を目指す人のための教材と、勉強のポイント

2014年6月11日(水)
原田 裕介(はらだゆうすけ)

PHPのバージョン

現在のPHPの最新安定バージョンは5.5であり、間もなく5.6がリリースされそうなところまできています。
現在のPHP技術者認定試験は5.3ベースとなっているため、5.4以降の新機能については試験のためにわざわざ勉強する必要はありません。

とはいえ、もちろん優れたPHP技術者として最新の機能を追いかけていた方がいいのは当然なので、「知らなくていい」というわけではありません。試験の前でも後でも良いので、勉強して把握しておきましょう。

また、PHP5.6に向けた試験の制作も進んでいますので、そのうち最新版にアップデートされるでしょう。

「プログラミングPHP 第3版」はPHP5.2に合わせて書かれたものを、PHP5.4に合わせて部分的に書き直したりしています。若干のバージョン違いがあるため、足りない部分等はうまく勉強する必要があります。

勉強法のアドバイス

「広く浅く」より「狭く深い」カテゴリを増やしていく

問題集を見ると分かりやすいのですが、問題の形式として以下の例題のように出題されます。

例題)
PHPのオブジェクト指向について以下の設問の中から適切でないものを全てあげよ。

  1. PHPは多重継承をサポートしない。
  2. PHPにはコンストラクタとデスクトラクタは存在しない。
  3. PHPはインターフェースをサポートしない。

3だけどちらか分からない場合、2と3が正解だとして、2だけ選んでも点は一切もらえません。つまり、基本的に設問に出てくる各項目が分かっていないと配点にはならないのです。

そして設問はデータベースならデータベース、XMLならXMLと、同じカテゴリ内から出題されるので、そのカテゴリ全体の理解度を上げていく必要があります。

分からないカテゴリがあってもいいので、完璧なカテゴリを順番に増やしていく方が望ましいのです。

コストパフォーマンスの高い分野から押さえていく

コストパフォーマンスといってもお金の話ではなく、範囲に対しての配点の効率が良い分野のことです。

PHP技術者認定試験の公式サイトにもある通り、分野ごとに配点は違います。

章番号 カテゴリ 配点率
9章 グラフィック 0.04
10章 PDF 0.04
11章 XML 0.05

この3つは割と内容が多くない上に、配点もそれなりにありますので、まずは押さえておくことをオススメします。

章番号 カテゴリ 配点率
7章 ウェブに関するテクニック 0.12
8章 データベース 0.08
12章 セキュリティ 0.12
13章 アプリケーションに関するテクニック 0.08

こちらの四つは範囲こそ広いですが、配点が高く合計で40点にもなりますので、避けては通れません。
試験の話だけではなく、実際のプログラミングでPHPを利用する際にも重要な分野なので、この機会にしっかり押さえておきましょう。

前項の『「広く浅く」より「狭く深い」カテゴリを増やしていく』と合わせて、コストパフォーマンスの高い分野から集中して、順々に理解度を上げていくと良いでしょう。

コードを実際に動かしてみる

プログラミングの勉強なので当然といえば当然なのですが、コードは動かすことが必要です。
目の前にデジタル化されたコードがあったとしても、コピー&ペーストしたりせず、きちんと自分で写経(お手本を見ながら自分で手打ちすること)して動かしてみるのが、理解への近道です。
特にPHPは自由な言語といわれているだけあって、他の言語と同じような気持ちで「こう動く」と想像していたりすると、足下を掬われることになりかねません。

特にユーザーソートのサンプルソースやライブラリを使うコードは、一度書いてみないと混乱します。書いて動かして理解した後に少しオリジナルな変更を加えて遊んでいくと、言語仕様が見えてくるでしょう。

分量もそれほど多くないので「プログラミングPHP 第3版」に出てくるコードくらいは一度書いて動かしてみることをオススメします。

ということで、今回はPHP技術者認定上級試験と受験のコツにお話ししてきました。

次回からは、前半で「プログラミングPHP 第3版」をベースとした基本部分の解説を行い、後半で追加内容の解説をしていきます。追加内容は、SPLやクロージャなどPHP5.3で実装されたものが多い予定です。

上級試験は難易度が高いですが、きっちり勉強すればきっと取得できると思いますので、頑張っていきましょう。

<編集部より> 1ページ目の文章に一部誤りがあったため修正しました。(2014.06.11)

著者
原田 裕介(はらだゆうすけ)
株式会社ユーザーローカル
東京都在住。携帯のホームページ作成サービスでHTMLのコーディングを始めて、PHPerとなる。
株式会社ハッシュシステム代表取締役やtetolの立ち上げ、株式会社イードでニュースメディアの開発やエンジニア採用を経て、現在はアクセス解析ツールの開発を行いながら、個人でもWEBサービスの開発を行っている。PHP技術者認定上級試験の認定者でもあり、受賞歴はmixi scrap challenge優勝など。

 

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