PHP7初級試験の学習に最適な『徹底攻略 PHP 7技術者認定 [初級] 試験問題集』が登場。書籍プレゼントキャンペーンも実施中!
8月29日(木)、『徹底攻略 PHP 7技術者認定 [初級] 試験問題集』が7月22日に出版されたことを記念し、本書の著者であるM-Frネット CTOの古庄道明氏と、PHP技術者認定機構の代表理事を務める吉政創成株式会社 代表取締役の吉政忠志氏にインタビューを行った(聞き手:Think IT編集部 伊藤隆司)
Q:まずはPHP7技術者認定試験や市場の動向をお聞かせください。
- 吉政:PHPは特に日本で根強い人気のある言語で、今年で25周年と歴史が長いです。海外の言語ランキングでもトップ10に入り、日本の求人数でも上位に入ります。PHPの求人数は130%前年比増となっており、Indeedに公開された求人数は36,000人ほどです。
以前に比べると求人単価も上がっており、プログラマーの平均年収より少し高い年収500万円以上の案件が全体求人数の15%を占めています。 - 古庄:PHP利用者の傾向を見ると、現在PHPの最新バージョンは7.3ですが、実際にPHP5からPHP7へ移行しているのは全体の3割程で、 PHP5のままリプレイスせずに継続して使っているケースと、どこかのタイミングでPHP7へマイナーバージョンも上げていくケースに分かれていますね。
- 吉政:PHP5はサポートも切れているので、市場の目をPHP7に向けていこうというのもPHP7の試験を始めた1つの理由です。PHP5の技術者認定試験が好評だったこともあり、今回のPHP7技術者認定試験問題集の出版に至りました。
Pythonほどではないですが、 民間系IT資格の上位に入るほどの受験者数がいます。
― 弊社のWebシステムでもPHP5を使っています。PHP7へのバージョンアップが必然となる中、受験者もPHP7へ移行してきているということですね。
- 古庄:実はPHP7へバージョンアップする際、丁寧に書けばPHP5のソースコードでほぼPHP7も動きます。PHP7の方が、より実務で使いやすくなったという印象を個人的には強く受けています。
例えば、今まで型の変数が数字なのか文字なのか不明瞭だったものを、より安全で便利に使えるような機能が増えるなど、PHP7のメリットは明らかです。試験にも載せていますが、便利で業務に使いやすい固有な機能もあり、そこに注目してほしいです。
― PHP7の使いやすさはどうですか?
- 古庄:多人数で開発する際、1人で開発する時には遭遇しない様々な問題が発生することもあります。私は今でもプログラムを書いていますが、そんなときにPHP7の機能で事前に警告を出してくれるなど、圧倒的に使いやすいですね。
Q:なるほど。PHP7の資格を取得することで、どのようなメリットがありますか?
- 吉政:「独学で勉強してWebサイトを作成した」という現場未経験の就職希望者は多いですが、それは第3者の評価ではなく、未経験者と経験者の違いは大きいと思っています。この初級試験は、いわゆる仕事をする上で必要な知識がほぼ網羅されているので、これをマスターすれば現場で話している内容がわかるレベルになる仕組みになっています。第3者のお墨付きが入るということですね。
先ほどPHP5がしっかりと作ったものはPHP7でも動くという話がありましたが、お客さまに「そのまま動きます」では、今後は仕事にならないと思います。PHP7も勉強しておくと良いでしょう。
― 求人の際に、PHP技術者認定試験の有無を問われることはありますか?
- 吉政:求人の要件に入っていることはあります。このPHP技術者認定試験を採用理由にする会社もあります。試験後のアンケートで、受験者の半分以上は「資格手当が付いている」と回答しているので、会社からのバックアップもあるようですね。
― 資格を認めてくれるのは受験者のモチベーションにもなりますし、大きいですね。
- 吉政:現在、協賛会社も60社を超えています。
- 古庄:私は専門学校の講師も兼任していますが、就職課の講師から「PHPの資格を持っていると面接に受かりやすい」という話をよく聞きます。新卒でも、少なからずメリットに働くことはあるようです。
― 若者だけではないですが、プログラミングを始める入り口としてPHPはすごく良いですね。求人もあり、資格を持っておいて損はないですね。
- 吉政:全世界のWebサイトの中で、PHPの稼働率はここ数年で80%まで推移してきています。これからWebをやる人には外せないですね。
Q:近年で非常によく使われているWordPressもPHPですし、そうなると、必然的にPHPを勉強することになってきますね。
- 古庄:実質、案件でもWordPressとPHPが複合されたものは多いですね。
― いまWebデザイナーもPHPの勉強をしているという話をよく聞きます。
- 古庄:Webデザイナーさんが定期的にPHPの知識をブログなどに書いているのを目にしますが、とても驚きますね。
― プログラマーだけでなく、 デザイナーが一緒にデザインしながらPHPでWebシステムを作るケースも増えているので、ますます企業に人気が出そうですね。
- 古庄:一方で、重いシステムや大きなシステムもPHP7で高速化しています。 5.6と7.3で比較すると、無視できないほど大きな差になっています。
5.6から7.0の時点で速度は倍以上になり、また7.0から7.1でもさらに速度が上がっています。クラウドでは必ずしも速度が問題になるわけではありませんが、サーバー数を減らせるので、大型案件ではやはりメリットがあります。セキュアに書ける手法もあり、複雑で大きな案件にも対応できるので、軽いものから重いものまで守備範囲が広く、現行ではどこでもそれほど困る状況にはなっていません。
―「重いシステム」や「大きなシステム」とは、具体的にどのようなものですか?
- 古庄:「アクセスが多い」というものでは、典型的なのはソーシャルゲームですね。ソーシャルゲームはPHPで組まれているものが多いです。私が前にいくつか関わったものも、すべてPHPでした。
― 用途を選ばなくなってきている訳ですね。Web全般と言うか、アクセスの多いシステムでも対応できるということですね。
- 古庄:むしろ、課題はエンジニアの確保です。現場では、実際の求人に対してエンジニアの数が足りないと言われています。特に腕利きのエンジニアはどこに行っても不足しています。
- 吉政:未経験者だと最初は苦労すると思いますが、経験を積んでいけば、だんだんと引く手数多になっていきます。
Q:初級試験資格の保持者がいきなり現場に入っても仕事ができるわけではないというお話がありましたが、やはり経験を得る時間がないと現場で仕事にならないこともありますよね 。
- 吉政:勉強しないと経験すら積ませてもらえません。
- 古庄:この試験を採用試験の必須事項にすれば、「実際に入社してきたらコードが書けなかった、というトラブルも回避できます」とアドバイスしたこともあります。合格すれば基本的な構文はひと通り書ける土台は担保できるので、少しハイレベルな社内教育も可能になってきます。
どの資格試験にも大よそ基はありますが、PHP7試験も基礎を分厚くする形でやっているので、より現場に入りやすくなっていると思います。 - 吉政::基礎を分厚くするという形で言えば、今回刊行した黒本(問題集)は「解いていくとどんどん理解でき、非常に理解力が上がっていく」と高評価をいただいています。試験前のベータ試験・本番試験もそうでしたが、この本が出る前までは「なぜPHPの黒本が出ないのか」とアンケートの3割ほどに書かれていました。PHP5技術者試験問題集でも、問題のポイントを押さえているところと解説の良さを評価いただいており、今回も同じメンバーが執筆しています。答えだけでなく「なぜその答えになるのか」がしっかり書かれているので、暗記ではなく「理解する」ための本になっています。
― 問題を解きながらしっかりと知識が付くところが一番評価されているのですね。
- 吉政:はい。黒本は問題集のみで、基本的にはオライリーの「初めてのPHP」が公式教科書としての位置づけで、公式問題集がインプレスというパターンです。
― 黒本の掲載問題数は173問ですが、実際の試験は何問あるのですか?
- 吉政:試験は40問で、合格の目安はだいたい40問中75%ほどの正答率です。試験レベルはITスキル標準(ITSS)に則っています。初級はITSSのレベル1で、準上級・上級とレベルが上がっていきます。
― 初級と上級では、どのような差があるのですか?
- 吉政:これからちゃんと学習していくための土台を作ることが初級の部分です。上級ではPHPをしっかりと把握できていることが求められます。試験時間は2時間で長文読解が多く、コードを読みきれないケースも多いのでスピードが求められます。
- 古庄:上級は、現場でしっかり仕事ができている人であれば良い点が取れる試験にしたいと思っています。 PHPのキャリアを持ち、それなりの単価を得ている人ならば「これぐらいは把握しておいてほしい」といった内容です。
また、PHP7には意外に熟練者でも知らない機能がありますので、そういった「仕事でも使えて便利な機能もある」ことを知る機会にもなれば良いなと思っています。特にある程度のキャリアがある人は、普段使っている機能や構文以外を学習していないことも多く、ただ一方で新しく便利な機能が増えているので、「知る・気づく」ことが死活問題になっています。
Q:黒本のおススメの活用方法や勉強方法などはありますか?
- 古庄:黒本は、まったくPHPを知らない人でも、ゆっくり取り組めば進められるレベルですし、その意味では一番初めに手に取っていただける本かと思います。
- 吉政:そうですね。まず1冊買うのであれば、断然この黒本をおススメしますね。黒本はマスターして次の段階を目指すのならば、市販の他の書籍を2冊目として読んでみれば良いと思います。とは言え、黒本だけでもある程度の知識は得られますし、この本で勉強すれば初級試験には合格できるので、その点ではこの問題集だけでも良いでしょう。
- 古庄:プログラミングの最初のハードルは「動かす環境を作る」ことで、初心者はだいたいそのはじめの一歩で躓きます。学習法として一方から見たときに開発環境の構築は必須なので、巻末に「開発環境の構築法」を掲載している本書は、その点で問題集に付いているところが非常に面白いと思っています。
とにかく、初めは何も分からなくても打ち込んで動かしてみることです。それで「動いた!」という1発目の感動から、次は「数字を変えてみようか」と動かしてみたくなる。そんな感動の1つ1つが学習になっていくので、この本は一度で終わりではなく、繰り返し取り組むことでレベルを上げることができると思っています。解説も丁寧に書いていますが、はじめは解説がよくわからなくても、動かしているうちに解説内容が理解できて、しっかり身に染みてくるからです。
― 自分でコードを打ち込んで実行結果を見ながら「これが正解だ!」とわかる体験は、机上の勉強だけでないところが良いですね。経験はITでできるものではないですからね。
- 古庄:遠回りのようで、とりあえず何万行、何十万行と書いて動かしてみるのが実は早いです。ある程度ロジカルな部分の知識も必要ですが、入り口はもっと簡単で軽くて良い。例えば、C言語では1行出力するのに何十行も書かなければなりません。初心者は「なぜそんなに書かないといけないのか」と聞いてきますが、私は「おまじない」と答えています。ここでその理由をロジカルに説明すると、確実に初心者は潰れていきます。 PHPは簡単に書けるので 、プログラミングの学習言語としては非常に入りやすい言語だと思います。
Q:最後に、PHPが今後どうなっていくか、お2人のお考えをお聞かせください。
- 吉政:現状、PHPはシェア80%を誇る人気の言語であるだけでなく、毎年行なわれる「PHPカンファレンス」の実行委員やスタッフも若手が多く参加しているなど、PHPに興味を持つ若者がどんどん増えています。これからも世代代わりしながら、維持していくと思います。
- 古庄:PHPは開発スピードも落ちて、いずれ他の言語に移り変わっていくのではないかと思っていましたが、PHPはコンスタントにバージョンアップされ、速度が上がるなど様々な改良が活発に行なわれています。PHP以外の言語を学習する際にも、PHPをしっかり学んでおくことで、そちらの学習もスムーズに進められるでしょう。
― 知識の下地になるということですね。
- 古庄:PHPの機能は豊富で、また相変わらず元気な言語なので、開発が止まらない限り5年、10年と本当に賑わい続けていくのではないかと思っています。
― ありがとうございました!
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※PHP7初級試験の詳細については、こちらを参照のこと。