PosgreSQL導入のためANAシステムズが行ったガイドライン策定の取り組み

2014年7月17日(木)
Think IT編集部

完成したガイドラインを活用する

後半、吉村氏は実際に作成したガイドラインについていくつかの目次を抜粋する形で紹介。具体的な進め方としては、あらかじめANAシステムズ側が目次案を提示し、アシストが実際の作成を進めている。あわせて1,000ページにも上るガイドラインを約半年かけて作成した。

ページ数としては多めだが、吉村氏たちのスキルアップも目的に含まれていたため、アシスト側にはかなり細かいレベルで記載してもらうよう依頼している。実際には、このガイドラインをもう少し簡易的なものにした上で社内活用する考えだ。

2013年度までに、元々目標にしていたPostgreSQLのガイドラインが終了した。まずはPostgres Plusへの移行を解説する社内教育を行うことで、難しいと思われている移行のハードルを下げる目論見だ。

その後は、具体的な設計・構築、運用に関する教育を進める。スキル向上を図り、OracleDBの時に実践してきた、安定したDB環境の構築、運用ができるように考えている。
また今後、開発案件が出てきた場合はその支援を行うことで、使って得たノウハウをガイドラインにフィードバックし、改善していく考えだ。

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最後に感想として、吉村氏はこのガイドライン作成を通じて、OracleDBには様々な機能が備わっており、改めて優れた製品であることを実感したと語る。RACやパーティションなどはミッションクリティカルなシステムに欠かせないため、大規模なシステムではOracleDBの有用性が必要だという

Postgres Plusについては、OracleDBをシンプルにしたデータベースだと感じている。それほど高機能が必要でない場合はシンプルで使いやすいのではないかと感じている。吉村氏はそれぞれを電子レンジと高機能なオーブンレンジに例えた。

ガイドラインを作成し、必要に応じてOracleDB、PostgreSQL(Posgres Plus)を使い分けることで、ITコストの最適化に寄与できるのではないかと語り、吉村氏はセッションを締めくくった。

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