PHPerには欠かせない配列の基礎
1.4 配列操作の関数
「配列をぶん回す言語」の呼び名にふさわしく、PHPにはソート関数をはじめとする配列を操作するための関数が非常にたくさん備えられています。ですがそれらの関数は、歴史的な経緯から引数の順番が一定ではなかったり、似たような名前があるので注意が必要です。
例えば、以下のような関数があります。
1. array_search('key name', $array);2. array_push($array, 'value');
それぞれ(1)は配列$arrayの中から「key name」というキー名の要素を検索する関数、(2)は配列$arrayの最後に「value」を要素として追加する関数です。見てお分かりのように、(1)では対象の配列を第2引数で指定するのに対し、(2)では対象の配列が第1引数に来ています。この例のように、機能が近い関数の間でも引数の渡し方があまり統一されていません。この辺りは関数によって違いますので、注意しておきましょう。ただ配列操作の関数は数が多すぎるので、全部を覚える必要はないかと思います。
1.5 文字列への配列としてのアクセス
<?php $string = 'cafe'; $string[2] = 'g'; echo $string; echo "\n"; echo $string[1];
cage a
このように、PHPは添字での文字列へのアクセスをサポートしているので、文字列の各文字を要素として配列に見立てた利用が可能です。
1.6 array_key_existsとisset($array[$key])のパフォーマンス的違い
そのキーの要素が配列内に存在するかどうかを調べてくれる関数として「array_key_exists」がありますが、「isset($array['key'])」とすることで代用できます。
<?php $time_start = microtime(true); $colors = array(); for($i = 0; $i < 100000; $i++){ $colors[] = 'red'; $colors[] = 'bule'; $colors[] = 'green'; } for($i = 0; $i < 300000; $i++){ if(array_key_exists($i, $colors)){ $result = $colors[$i]; } } echo "\n\n"; $time_end = microtime(true); $time = $time_end - $time_start; echo "実行時間:${time}";
<?php $time_start = microtime(true); $colors = array(); for($i = 0; $i < 100000; $i++){ $colors[] = 'red'; $colors[] = 'bule'; $colors[] = 'green'; } for($i = 0; $i < 300000; $i++){ if(isset($colors[$i])){ $result = $colors[$i]; } } echo "\n\n"; $time_end = microtime(true); $time = $time_end - $time_start; echo "実行時間:${time}";
それぞれの実行結果は、以下のようになりました。
array_key_exists
- 1回目の実行時間:0.18406081199646秒
- 2回目の実行時間:0.17879796028137秒
- 3回目の実行時間:0.18822693824768秒
isset
- 1回目の実行時間:0.13841509819031秒
- 2回目の実行時間:0.13023519515991秒
- 3回目の実行時間:0.13298797607422秒
上記のことからパフォーマンス的に見ると「isset($array['key'])」と書く方が効率が良いことがわかります。この差は、array_key_existsが線形探索を行っているのに対し、isset($array[$key])はハッシュを利用しているためと考えられます。ただし両者は、$array[$key]がNULLの場合の挙動が異なります。その違いをきちんと理解して利用する必要があります。
ということで、今回はPHPの基本中の基本である配列についてのお話しでした。基本というものは大切です。基本的なことなので普段なにげなく扱っていたりしますが、実は注意点がいっぱいあるので覚えておくと良いでしょう。
次回は文字列操作についてお話ししていきます。