Linux版だけじゃない―事業継続ソリューションのWindows Server対応
本連載では、サイオステクノロジー社(以後サイオス)の製品「LifeKeeper」「DataKeeper」を題材に、企業経営において避けては通れない「事業継続ソリューション(BCPソリューション)」の解説を全4回にわたってお届けする。初回は2003バージョンのサポート終了でも話題になっているWindows Serverへの対応だ。「DataKeeper for Windows Cluster Edition 」は、Windows Serverが本来持つフェイルオーバー機能と連携することで新たな付加価値を生み出している。
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サイオスが提供している事業継続ソリューションは、Linuxだけでなく、Windows 環境にも対応している。Windows対応製品としては、HAクラスターソフトウェア「LifeKeeper for Windows」と、データレプリケーションソフトウェア「DataKeeper for Windows」がある。LifeKeeper for Windowsは、GUIの見た目や操作感などがLinux版とほぼ同じため、どちらか一方を操作したことがあれば同じように利用することができる。しかし、DataKeeper for WindowsはLinux版とは異なる特徴を持っている。今回は、DataKeeper for Windowsにフォーカスして製品を紹介する。
DataKeeper for Windowsは、DataKeeper for Linuxとは異なり独立した製品となっている。Linux版はLifeKeeperのオプション製品で、リソース設定をして使用することが前提となっているが、Windows版は単独のアプリケーションとしてレプリケーション機能だけを利用することができる。また、用途によって2つのEditionが用意されている。1つはレプリケーション機能だけを提供する「DataKeeper for Windows Standard Edition」、もう1つはWindows Serverのフェイルオーバークラスター(以後WSFC)と連携して使用することができる「DataKeeper for Windows Cluster Edition(以後DKCE)」だ。
「DKCEとWSFCの連携」とは、ネットワークを介してレプリケートされたローカルディスクをWSFCの共有ディスクとして扱うことができるというものである。この機能を使用することによって、Windows ServerにおけるHAクラスターを構成する際のストレージ配置に関する物理的な制限を排除し、柔軟にHAクラスター環境を構築することが可能となる。近年、重要なシステムを仮想環境やクラウド環境に移行するケースが増えつつある中で、冗長性も担保したいという要望に応えることのできる構成の1つである。
DataKeeper for Windowsの基本機能
DKCEの基本的な機能は、TCP/IPネットワークを介して1つのボリュームに書き込まれたデータを、他方のボリュームにレプリケートすることである。このレプリケートの動作について、もう少し詳しく紹介する。
同期に関する動作は、内部の仕様に相違はあるものの、基本的にはLinux版と同等である。レプリケートのソースとなるボリュームは必ずどれか1つのサーバーのボリュームで、このソースとなるボリュームに対して書き込まれたデータが、レプリケート先となるターゲットのボリュームに対して即時レプリケートされる。レプリケーションは前述したとおりにネットワークを介して行われるが、通信が可能であればLAN、WANを問わずレプリケーションを設定することができる。データの同期については、設定直後にディスクのデータの有無にかかわらずソースとターゲットの間で全同期が行われるが、一度全同期が完了すればあとはBitmapファイルをもとにした差分同期が行われる。その際の同期方式として「同期モード」と「非同期モード」のどちらかを選択することができる。それぞれの動作イメージについては図2に簡単にまとめる。
同期方式にどちらを選ぶかは、利用するデータの内容や用途、想定される利用状況などに応じて、これらの特徴を把握した上で選択する必要がある。導入を検討するにために、これらの動作についての詳細な情報が必要となった場合には、DKCEのオンラインマニュアルに情報がまとめられているので、そちらをご参照いただきたい。
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