TOP設計・移行・活用> Microsoft SQL ServerによるHAクラスタ化の概要
LifeKeeperのすべて
LifeKeeperのすべて

第10回:Microsoft SQL ServerとLifeKeeperによるHAクラスタ化
著者:サイオステクノロジー クラスタソリューショングループ
監修者:サイオステクノロジー  小野寺 章   2005/1/27
1   2  3  4  次のページ
Microsoft SQL ServerによるHAクラスタ化の概要

   今回はMS SQL Server Recovery Kit(以下、SQL Server ARK)を使用したMicrosoft SQL Server(以下、SQL Server)のHAクラスタ化について紹介していく。

   SQL Server ARKは、以下のような構成のHAクラスタ化をサポートしている。
Active-Standby構成
データファイルを共有ボリューム上に設定し、1つのインスタンスをそれぞれのサーバで切り替えて使用する構成。
Active-Active構成
複数のインスタンスがそれぞれデータベースを持ち、別々のサーバ上でアクティブになることを想定した構成。

表1:SQL Server ARKがサポートしているHAクラスタ構成

   また、SQL ServerのHAクラスタ化は表2の手順で行う。

  1. LifeKeeper Coreのインストール
  2. 通信パス、IPリソース、ボリュームリソースの作成
  3. プライマリサーバへのSQL Serverのインストール
  4. セカンダリサーバへのSQL Serverのインストール
  5. SQL Server ARKのインストールとリソース階層の作成

表2:SQL ServerのHAクラスタ化の手順


事前準備作業

   表2にあげた手順の1、および手順の2は本連載の「第5回:LifeKeeper for Windowsの操作(前編)」「第6回:LifeKeeper for Windowsの操作(後編)」で解説したのでそちらを参照していただきたい。今回は手順の3「SQL Serverのインストール(プライマリサーバ)」から行うが、その前に、以下に示す準備作業が完了している必要がある。

SAアカウントが設定されていること
SQL Serverにログインするための共通の管理ユーザを作成しておく必要がある。
IPリソースが作成されていること
SQL Serverに接続するための切り替え可能なIPアドレスが作成されている必要がある。
IPリソースに設定した切り替え可能なIPアドレスがDNSエントリに登録されていること
IPリソースを使用する際にはIPリソースに対応するDNSエントリが必要である。DNSエントリがない場合、起動時にSQL Serverが保護されたIPアドレスをバインドしないことがあるため、必ず設定をする。
共有ボリュームリソースが作成されていること
SQL Serverのデータファイルは共有ボリューム上に格納するので、事前に共有ボリュームリソースが作成されている必要がある。

表3:事前準備

   すでに手順の1、2によってIPリソース作成と共有ボリューム作成は完了しているので、SAアカウントの作成と切り替え可能なIPアドレスのDNSエントリへの登録を行う。

1   2  3  4  次のページ

リファレンスサイトの紹介
本連載のリファレンスとなるWebサイトです。本連載に対するご意見、ご要望などもお寄せください。

■LifeKeeper製品詳細情報
http://www.10art-ni.co.jp/product/lifekeeper/

■SteelEye Technology Inc.(開発元)
http://www.steeleye.com

■LifeKeeperに関するお問合せ
https://www.10art-ni.co.jp/contact/form-lifekeeper_ssl.html
サイオステクノロジー株式会社 クラスタソリューショングループ
著者プロフィール
サイオステクノロジー株式会社 クラスタソリューショングループ
サイオステクノロジーにおいて、SteelEye LifeKeeperの技術サポートや構築支援を行うエンジニア集団。日本国内で、彼ら以上にLifeKeeperを知る者たちはいないと自負している。世の中のすべてのHAクラスタがLifeKeeperになることを夢見て日々奮闘を続けている。


サイオステクノロジー株式会社 小野寺 章
監修者プロフィール
サイオステクノロジー株式会社  小野寺 章
インフラストラクチャービジネスユニット
エンタープライズソリューション部 部長
国産汎用機メーカに入社し、汎用機のSEを10数年担当、1994年頃からオープン・ダウンサイジングブームの到来とともにUNIX系OSを担当し、Solaris、HP/UXでSun Cluster、Veritas Cluster、MC/ServiceGuardなどを使用した、多数のミッションクリティカルシステムのHAシステム構築に従事。2001年ノーザンライツコンピュータ(現サイオステクノロジー)へ入社後、SteelEye LifeKeeperの総責任者としての国内での販売・サポート業務に従事。


INDEX
第10回:Microsoft SQL ServerとLifeKeeperによるHAクラスタ化
Microsoft SQL ServerによるHAクラスタ化の概要
  Active-Standby構成によるHAクラスタ化
  SQL Server ARKの設定
  Active-Active構成によるHAクラスタ化