プロから学ぶ画像補正のノウハウ 1

レタッチャーに必要なもの

レタッチャーに必要なもの

 次に筆者の仕事で使用する機材、制作環境を紹介します。

 まずコンピューターですが、筆者はMac Pro 2.8GHz 8 Coreを使用しています。これに関してはこれじゃないとダメという事はないですが予算が許す限りスペックの良いものを使うのに越した事はないと思います。

 次にモニターですが、筆者はブラウン管(CRT)のころからEIZOのモニターを使用しています。写真をモニターでできる限り大きく表示したいので、モニターはデュアルにしてPhotoshopのパレット類はすべてサブモニターに表示させています。メインモニターにはできる限り外光を遮断し、視認性を高めるためにモニターフードを装着しています。

 そしてレタッチャーの必須アイテムとしてペンタブレットがあります。筆者はWacomのA3サイズのタブレットを使用していますが、コンパクトの方が使いやすい方もいると思いますので、実際に触ってみる事をお勧めします。色の調整くらいではマウスでも十分だと思いますが、ブラシやスタンプ系を多様する方は、ペンを使用した方が作業効率や正確性が上がります。

 プリンターは最も好みがでる機材だと思いますが、筆者はEPSON製のインクジェットプリンターを使用しています。色見本の出力として使用していますが、現在のインクジェットは作品用としても十分な印刷品質です。また、以前に比べてだいぶ使用頻度は少なくなりましたが、フィルムスキャナーはとても重要です。弊社ではimacon社のスキャナーを使用しています。

専門的な機材

 専門的な機材としては、モニターの隣に色評価台というものが置かれています。これは内側がグレーの箱の中に印刷基準であるD50/5000kの蛍光灯が付いているものです。プリントは見る場所によって全く色が変わって見えるので、正しく評価するために納品する色見本はこの評価台でチェックします。天井のすべての蛍光灯も色評価用の蛍光灯になっていますが、より正確に判断するためにグレーで覆われた評価台を使用しています。

 さらに専門的な機材として、キャリブレーターというものが必要です。これは色の測定器で、主にモニターを測定するために使用します。この作業をキャリブレーションと言いますが、詳しくは次回に紹介します。

 アプリケーションはPhotoshopのほかにBridge、Illustrator、現像ソフトを使用しますが、そのほかにPhotoshop用のプラグインソフトをいくつか使用しています。専門的なものとして筆者が頻繁に使用しているのは、デジタル撮影されたデータにフィルムの粒状感を感じさせるためのプラグインと、デジタルノイズを軽減させる機能を持ったプラグインです。

 ほかにも切り抜き用のプラグインやさまざまなエフェクトを加えるプラグインなどがありますので、興味のある方は調べてみてください。

この記事をシェアしてください

人気記事トップ10

人気記事ランキングをもっと見る