「謎解き」こそ、エンジニア心をくすぐるハッカーウェイだ。 -10周年を迎えたリアル脱出ゲーム-
2014年、エンジニア界隈で盛り上がった、エンジニア版リアル脱出ゲーム「コードルームからの脱出」。正解率が3%ほどと超難問だったものの、2万5千人超が挑戦した。リアル脱出ゲームのような”謎解き”は、「コードルームからの脱出」のようなエンジニア専用のリアル脱出ゲームや、定期的にエンジニア仲間で参加するコミュニティがあるなど、実はエンジニアにとって人気のコンテンツとなっている。リアル脱出ゲームの面白さは、一体どこにあるのか。株式会社SCRAPは、今年リアル脱出ゲーム10周年を記念して、「リアル脱出ゲーム大パーティー」を、6月24日に開催。ReadWrite編集部が参加し、リアル脱出ゲームの魅力に迫った。
■「謎検」で謎解き力をテスト
第1回を終えた日本謎解き能力検定協会主催の「謎検」。そのスピンオフ企画として、大パーティー限りの「謎検模試」が開催された。「謎検模試」は、謎検のライト版となるペーパーテスト・20問・20分の形式で、「第1回謎検」とは異なる問題が出題される。模試終了後にて、謎検を受けた場合の目安となるクラス判定(1級~8級)がその場で行われた。謎を解く力は、どれだけ可能性を探ることができるか。正解は一つの為、その解に向け、どれだけ様々な考え方やアプローチを創造ができるかが求められる。
■1万人が同時参加するリアル脱出ゲーム
メインイベントは、1万人同時参加のリアル脱出ゲーム。脱出できるのは、1万人のうちただ1人。MCを務めるSCRAP代表の加藤氏が持っている携帯電話の番号を謎解き、最初に電話を鳴らした参加者だ。
「最初の宴」「閃きの宴」「言葉の宴」と謎が出題され、1万人が静まり返って謎を解く。1万人で1人しか脱出できないというプレッシャーの中、一つひとつ謎を解き、また次の謎へ挑戦を続ける。問題の中には、事前に起きた全く関係のないと思われる事象も実は問題を解くヒントになっていた。
様々な可能性を探る「謎解き力」だけでなく、1人しか脱出できないプレッシャーの中、謎を解かなければいけないストレス耐性や、膨大な問題を限られた時間の中に解くタイムマネジメント、どの問題まで解けば次の問題へ進めるのかといった優先順位付けなど、様々なスキルが試される内容となった。
■「謎解き」は”ハッカーウェイ”だ。
リアル脱出ゲームを実際に体験し感じたことは、「ハッカーウェイ」の要素を多く持ち合わせていることだ。「ハッカーウェイ」は、Facebook社の企業文化の一つとして提唱され、多くのエンジニアに共通する精神として広まりつつある。CEOのマーク・ザッカーバーグは以下のように語っている。
フェイスブックでは「ハッカーウェイ(ハッカー精神)」という独自の企業文化を育ててきました。これは、「最初から完璧を目指さず、こまめに修正、改善を繰り返すやり方」です。シリコンバレーの本社オフィスの壁に書かれた「完璧よりとにかく実行を」という言葉を見ては、この姿勢を忘れないようにしています。
エンジニアは、大きなパズルを解くような作業を行いながら、目の前の問題を一つずつ解決し、さらに解決によって生じた問題を解いていく。トライ&エラーを繰り返しながら正解を導く「ハッカーウェイ」と、リアル脱出ゲームにおける、様々な考え方やアプローチを思いつき可能性を探っていく「謎解き力」は類似している。「謎解き力」に、こうした「ハッカーウェイ」の要素があるからこそ、エンジニアの間でもリアル脱出ゲームが人気を博しているのではないだろうか。リアル脱出ゲームは今年で10周年。今後もさらに盛り上がりを見せていくにちがいない。
■新作公演情報
8月1日~10月1日に後楽園ヒミツキチオブスクラップで「THE SECRET AGENT」を開催予定。あなた自身がスパイとなって敵のアジトに潜入し、ミッションをコンプリートする体験型ゲーム・イベント。ミッションコンプリートには、銃を持つ敵の目をかいくぐりながら情報を入手し、仕掛けや罠から逃れなければならない。フロアに響く敵の足音に耳を澄まし、声を潜め、身を隠しながら、敵の動きを予測し、奥へと潜入していく。
ReadWrite[日本版] 編集部
[原文4]
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