まだまだ遅くない! IT初心者がこれから活躍できるビジネスパーソンになる心得
はじめに
今回の内容は、これからIT業界にチャレンジしようと考えている方や、IT初心者の方向けに執筆しました。かく言う私も26歳までアパレル業界で洋服の販売をしており、未経験の状態でIT業界に転職しました。転職時に直属の先輩から「未経験でも意欲があればできるようになるよ」と言われたことを覚えています。
ここでは、私がこれまでの社会人経験で得た先輩からの教えなども含め、エンジニアとして、また1人のビジネスパーソンとして大切にしている心得を紹介します。
失敗しても前向きな心持ち
私は初めての仕事に携わる場合、最初の3ヶ月間が大切だと思っています。3ヶ月のうちにできる限り定常業務を覚え、独り立ちすることが職場での信頼関係を築くことに大きく影響すると考えているからです。そのうえで、仕事をする社会人全員が通る道である“失敗”について、まずお話ししていきます。
失敗は、どんなにしっかりと準備をして最適と思える行動を取っていても、やってしまうものです。世の中に失敗の定義は色々あって、中には「失敗なんてない」と言う方もいますが、個人的には「次(=成功)につながる糧が見つからない失敗」はしない方がよいと思っています。
具体的には、以下の3つの失敗です。
- やらなかった失敗
- 準備が足りなかった失敗
- 途中であきらめた失敗
失敗の原因を考えると、多くは情報不足や慢心、思い込みなどから生まれるのではないかと思います。ときには上司や先輩から厳しい指導を受けることもあるでしょう。私はお客様から直接厳しいながらも暖かいご指導をいただいたこともあります。
そんなときに大切になるのが、ポジティブな考え方です。失敗する度にクヨクヨ後悔していたら、なかなか前には進めません。厳しい指導をいただきながらも、成功に近づけるために次はどうやろうか、と物事を前に進める考え方を持っていることがとても重要なのです。
手間がかかっても
必要な仕事を積極的に実践するメンタリティ
皆さんは手間がかかる仕事に取り組んでいますか。仕事をしていると、必要でもそこまで優先順位は高くなく、かつ手間がかかる仕事に携わる瞬間がやってきます。こういった仕事に積極的に取り組めるかどうかで、社会人生活も大きく変わってくるのではないかと考えています。
私は2つの理由から、率先して手間がかかる仕事に取り組めば良いと考えています。
1つ目は「感謝される機会が増える」という点です。積極的に自ら取り組むことで、周りから「細かいところまで配慮が行き届いて、気が利いている」といった印象を持ってもらえますし、感謝される機会も増えると思います。
2つ目は「成長できる」という点です。手間がかかることに対処していくと、その「手間」を乗り越える能力が身に付きます。そこで培った能力は、その後別の仕事に取り組むときに、仕事の進め方などで活きるときが来ます。
また、手間がかかることはついつい敬遠されがちなので、そういったことに人より多く取り組むことで、成長していく機会が増えることにもつながると思います。
努力の仕方を間違えない
次に「努力」についてお話しします。業務でも資格の勉強でも、自分の努力の方向性をしっかりと理解することが重要です。努力の方向性は「獲得」と「回避」に分けられます。
獲得タイプは成果を出すこと、挑戦すること、賞賛を得ることに魅力を感じます。努力の仕方は、行動してから、学んだことを活かすタイプです。一方で、回避タイプは安定したパフォーマンスを発揮することや、責任を果たすことに魅力を感じます。努力の仕方は、事前に学習・分析してから、行動に移すタイプです。
私は趣味で野球をしており、以前は学童野球のコーチをしていました。バッティングひとつを取っても、子どもによって学び方は異なり、獲得タイプの子は何も聞かずにバッティング練習をして、打球の飛び方と周りからの評価を見て打ち方を覚えていきます。回避タイプの子は質問が多く、体の動かし方、ボールの打ち方を頭で理解してからバッティング練習で実践に落とし込んでいきます。
野球で見たときは、獲得タイプの子の方が覚えは早いですが、理論的に理解できていないので調子が崩れるとスランプが続きます。回避タイプの子は獲得タイプの子に比べて成長はゆっくりで、調子が崩れたときは自分でどう修正していけば良くなるか理解している子が多い印象でした。
学童野球ではコーチという役割だったので、どの子にどのように教えれば吸収が早くなるかを考えていましたが、仕事に置き換えて考えると、それを上司に任せっきりにするのは良しとはせず、自分のタイプを理解し、なるべくそれに添った努力の仕方をできるようになることも重要だと感じました。
一概にどちらのタイプに100%傾いているということでもないので、自分がどちらか分かりづらい方もいるかもしれませんが、いずれにしても自分に合った努力の仕方をしたほうがストレスがかからず、継続できて成果も出やすいのではないか、ということです。
ファンをつくる
会社に所属してサービスを提供するうえでは、エンジニアもサービスマインドを持つことが大切です。自分が仕事で関わるステークホルダーとなる方々、分かりやすい例ではお客様、身近な存在では上司やチームメンバーとしっかりコミュニケーションをとり、信頼を得てファンになってもらうことで自分が手掛ける仕事を円滑に進められるようになります。
では、どのようにすればファンになってもらえるのか。まずは、相手が求めているものが何かを理解する必要があります。自分が何を求められているか確認する作業を怠っていては、相手が感動するサービスは提供できません。サービスを提供する前に、相手は何を求めているのかを理解し、そのうえで自分のミッションは何なのかをしっかり考えて行動する必要があります。
想像力の磨き方
皆さんは「これから必要になる能力」と言われて、何を思い浮かべますか。技術力、コミュニケーション能力など、これから勉強しなければいけないことを挙げだすとキリがありませんが、ここでは想像力についてお話ししていきます。
なぜ、想像力が必要なのでしょうか。それは、これから皆さんの多くがお客様の課題を解決するために仕事をするからです。想像力はお客様の立場に立って物事を考えるときに必要不可欠です。「想像力? そんなのあるよ」と思われる方もいるかもしれませんが、私は「想像力が足りていない」と感じることが多々あります。
私は、お客様の課題に対して相手と同じ視座でどれだけ真剣に向き合うことができるかによって、課題解決能力に差が生まれると思います。そのため、どうにか想像力を鍛えられないかと分解してみたところ、想像力は2つに分けられることに気づきました。
- 状況を思い浮かべる能力
- 相手の気持ちを考える能力
仕事でも、この想像力を最大限発揮することで強い共感が生まれ、お客様が納得する提案が思い浮かぶのではないかと思います。
やりたいことの見つけ方
やりたいこと=Willを考えるとき、「Will-Can-Must」の考え方があります。自分のやりたいこと、自分ができること、会社から求められ、やらなければいけないこと、この3つの円が重なる部分で目標設定をしていきます。会社での目標を設定する際にWill-Can-Mustを利用するのも良いと思いますが、それとは別に個人のWill-Can-Mustも用意すべきだと思います。
まず自分がやりたいことと、自分が現在できることの差を確認し、やるべきことを明確にすることで、ありたい姿に近づくために取り組むべきことや、身に付けるべきスキルを具体化することができます。
ここで問題になるのが、自分のやりたいことが見つからず、個人のWill-Can-Mustが作れないケースです。私も転職当時は何をやりたいのかが漠然としていました。上司との面談で「何がやりたいの?」と聞かれても、特にありません。としか答えられないこともよくありました。それは、自分にできることが少なかったからです。自分にできることが少ないので、成し遂げられそうなやりたいことも想像できず、ただただ日々の業務に従事していました。
それでも「どうにか役に立ちたい」という気持ちはあったので、与えられた仕事やミッションには精一杯取り組みました。そうする中で「こんなことをやってみたい」という思いが出てくるようになりました。与えられた仕事をしていく中で知識や技術が身に付き、関心のある領域が出てきたからです。
やりたいことが見つかっていない方は、まだ知らない分野にどんどんチャレンジして、できることを増やしてください。自分と向き合いながら、その中に少しでも興味が湧くものがあれば深堀りしていってください。そうすることで自分の本当にやりたいことが見つかると思います。
おわりに
今回は、これからIT業界にチャレンジしようと思っている方やIT初心者の方向けに、仕事をするうえで基礎となる心得のお話しをしました。IT業界だけでなく、ビジネスパーソンとして持っておきたい考えだと思いますし、当たり前過ぎて私自身が忘れていた部分もあり、本記事の執筆が改めて考える良い機会となりました。
どの項目を取っても、まずは自分を知ることがとても重要になってきます。自分と向き合い、何ができるかを考え、最適と思える行動をして、お客様、上司、先輩、同僚、家族など、自分の周りにいる人たちをファンにして巻き込んでみてください。皆さんが周りの応援を受けながら、会社にとって居なくては困る人になってもらえると嬉しいです。
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