動画配信サーバーと配信インフラはどう?
自前のサーバーとホスティングサーバー
ストリーミングサーバーについては、よく「自前の自社サーバーとホスティングサーバーどちらが良いか?」という質問を受けます。
その問題に対する判断基準は以下になります。
1.インターネット動画配信かイントラネット動画配信か
2.動画の画面サイズ
3.ビットレート(帯域)
4.トラフィック
5.(同時)アクセス数
例えば、イントラネットの動画配信用に社外のストリーミングサーバーをホスティングで利用すると、ファイアーウォールで通信が遮断され社内で動画を視聴できなかったり、逆に社内ストリーミングサーバーを設置してグローバル環境へ動画配信した場合、自社ネットワークのトラフィック増を招き、業務に支障をきたす場合があります。
また、イントラネットでの動画配信で社内ネットワークが100MbpsのLAN、同時アクセスがそれほど多くない場合は、ファイアーウォール内でWebサーバーからの動画配信(ダウンロード方式)1Mbps程度の動画を配信する、なども考えられます。
これだとWebサーバー利用で低コストにて動画配信でき、社外秘情報を外部のホスティングサーバーにおく必要がなくなるでしょう。このような判断をしていくと、動画の画面サイズは直接ビットレートに影響を与え、そしてトラフィックにも影響を与えます。画面サイズが大きくなると、当然ビットレートが増えトラフィックが増えます。そして、アクセス数増加もトラフィック増加の一因となります。
基本的に、動画データはデータ量が大きくトラフィックが大きいため、グローバル環境での動画配信では、ホスティングサービスを利用するのが基本です。
自社サーバーから動画配信の場合、自社ネットワーク回線のトラフィックに注意が必要です。「動画配信を始めてから会社のネットワークが遅い!」と社員からクレームが発生するようでは、本末転倒です。
次は、ホスティングサーバーと動画配信技術を紹介します。
ホスティング料金は業者によってかなり違う?
「ストリーミングのホスティングサービス業者によって料金がかなり違うのはなぜ?」という質問もよく受けます。
ストリーミングサーバーホスティングの場合、アクセスログ解析などのサービスも料金に反映されますが、もっとも反映するのがバックボーンの仕組みなのです。
動画配信のバックボーンの仕組みとして、IPマルチキャスト、CDN(Contents Delivery Network:コンテンツデリバリーネットワーク)、P2P配信などという仕組みを使ってサーバーやネットワークの負荷を減らしています(図2)。
簡単に説明すると、IPマルチキャストは、ルーターが動画データを含むパケットをコピーして複数に配信する技術、CDNは、動画コンテンツを中継する配信拠点をインターネット内に配置する方法、P2P配信は、動画コンテンツを視聴するユーザーに、動画の分配役を兼ねてもらう方法です。
詳しい技術的説明は、専門業者に任せるとして、これらの技術やホスティング業者を選択する基準は以下になります。
1.動画のデータ量(映像の長さ)
2.ビットレート(帯域)やトラフィック(流量)
3.(同時)アクセス数(ある程度推定)
4.配信方法(ライブ/オンデマンド/ストリーミング/ダウンロード)
動画配信の予算などからインフラの規模を考え、ホスティングサービス会社を選ぶ事となります。大規模動画配信には、相応の動画配信技術とネットワークが必要なので料金が割高になりますし、ある程度の動画配信ができれば良い場合は、料金が割安になります。
次は、これらの基準を視点に自前サーバーとホスティング・Webサーバーとストリーミングサーバーを見ていきます。
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