Zabbix Summit番外編:Zabbixで働く女性エンジニアにインタビュー
Zabbix Summit 2023に合わせてZabbixで働く女性エンジニアにインタビューを行った。これまでにもIT業界、特にインフラストラクチャーの領域で働くエンジニアに女性が少ないことに関して意識的に掘り下げるインタビューを行っているが、今回はそのZabbix版という内容となった。
今回参加してくれたのはZabbixのフロントエンドを開発するチームに所属する2名の女性エンジニア、Elina Pulke氏とEliza Sekace氏だ。コンピューターとの出会いから男性エンジニアに混じって仕事を行う際に気付いたことなど、短い時間の中で興味深い内容を語ってもらえた。
自己紹介をお願いします。
Pulke:私はPHPのデベロッパーとしてZabbixのフロントエンドチームで働いています。大学では経済学を専攻して最初の仕事も金融関係の会社だったんですが、コンピューターの仕事をしてみたいということでいくつかのトレーニングコースを受講して、PHPのプログラミングを学んだという感じです。
Sekace:私も大学では建築と不動産関連の学部だったんですけど、Elinaと同じIT教育の講座をいくつか受けて勉強してからZabbixに入りました。実はElinaがZabbixの女性エンジニア第1号で私が2号なんですよ。
ということはZabbixの女性エンジニアの最初の二人が揃ってインタビューを受けてくれたということですね。
Pulke&Sekace:そうです(笑)
では最初に初めてコンピューターを触った時の話を教えてください。
Pulke:私が最初にパーソナルコンピューターを触ったのは自宅ではなく近所の知り合いの家だったと思います。自宅にはなかったんですよ。その後、高校にはパーソナルコンピューターがあったのでそこで使い始めました。最初は良いオモチャがあるって感じでしたね。でもExcelのスプレッドシートは便利だなとは思いました。
Sekace:私の場合は、6歳か7歳ぐらいの時だったと思いますけど、父が自宅にコンピューターを買ってきたんですね。その時は「なんかすごく大きなコンピューターが来た!」みたいな印象だったんですけど、大きなコンピューターだと思ってたのは実はモニターで、当時はモニターのことをコンピューターだと思い込んでました(笑)。そのコンピューターでは主に兄がゲームで遊んでいて、私も遊ばせてもらっていました。その後に高校でプログラミングの授業があり、そこで初めてプログラミングに接したという感じですね。
兄たちはいろいろなゲームを入れて遊んでいましたけど、私は何かインストールすると壊しちゃうんじゃないかと思ってやりませんでした。でもやってみたら「Next」を何回かクリックして最後に「OK」をクリックすればインストールできてしまうので、簡単なんだなとは思いました。私が何かゲームを入れておかしくしてしまったらイヤだったんですけど、そんなことにはならなかったですね。
お二人とも学校で専攻していたのはコンピューター関係ではなかったということですが、どうしてコンピューターを学ぼうと思ったんですか?
Pulke:最初にコンピューターに触れてプログラミングもやりましたけど、その時はそれほど興味が湧きませんでした。なので大学では経済を学びましたし仕事も金融関係の会社でした。でもプログラミングに興味が出てきて、キャリアの途中でプログラミングやデータベースに関するトレーニングコースを受けてから仕事を探したという感じですね。
Sekace:私も学校では建築関係の学部だったんですが、仕事を始める時にIT関係でプログラミングをやれる会社を探してZabbixに入ったという感じです。
Elinaさんは別の仕事をしていてIT関係に転職、Elizaさんは最初の仕事がZabbixということですね。トレーニングを受けたというのが大きかったということですね。
Pulke:そうです。4ヶ月くらいトレーニングがあるんですが、その後にちゃんとこういうITのポジションがありますという案内が来るんですね。その中にZabbixがあってそこで入社したという感じです。Zabbixを選んだもう一つの理由として、オープンソースだというのがありました。オープンソースということはソースコードが公開されているわけですから、プログラミングを学ぶための手本にできる点が有利なんですよ。もし汚いコードを公開したら批判されてしまいますからね。なのでPHPのプログラミングの能力を向上させるためにもなるんじゃないかなと思います。
Sekace:私もCODELEXというところでトレーニングを受けてプログラミングを学んで、それからZabbixを選びました。Zabbixが私の最初の会社です。
今の仕事はどんな感じですか? 特に女性ならではの悩みはありますか?
Pulke:今のチームには男性エンジニアのほうが多いんですけど、特に困ったことはありませんね。周りの人はとてもフレンドリーだしサポートしてくれますし、わからないことがあれば誰にでもいつでも質問できるし良いチームだと思います。
Sekace:そうですね。女性だからといって困ることはないかな。みんな優しいですよ。
Pulke:でも違いがあるとすれば男性って本当に喋らないんですよ(笑)。私たちは他のチームの女性とコーヒーブレークに良くお喋りして情報交換していますけど、男性のエンジニアってオフィスでは喋らない。だから同じチームのエンジニアのことをあまりよく知らないんですよ。女性同士は良くお喋りしてお互いを知っていますけど、男性とはお喋りしないので、まだ知らないことが多いです。何でしょうね?(笑)
Sekace:みんなオンラインでお話してるんですかね?(笑)わからないですけど。
もしも若い女性にIT業界で働くためのアドバイスをするとしたら何と伝えたいですか?
Pulke:私はコンピューターに関する仕事について意外と女性は怖いと感じているんじゃないかなと思うんですね。男性ばかりというよりもよくわからないから敬遠しているのかもしれませんが。でも実際に働いてみると良い職場だし、わからないから困ることもないですし、チャレンジして欲しいと思います。
ラトビアの女性はコンピューター関連の仕事に怖いという印象があるんですか。それはちょっと驚きですね。でもよくわからないものを怖いと感じるのは普通かもしれませんね。
Sekace:でもやってみればそんなに怖がることもないし、数学に強いことが必要というわけではないんですよ。若い時にプログラミングをやっていないとコンピューターの仕事には就けないなんてこともないし。プログラミングを始めるのにロケットサイエンティストになる必要はないということです。まずは私たちのようにトレーニングコースを受けて体験してから、自分に向いているのか、やりたいことなのかを判断して欲しいですね。
短い時間の中で率直な意見を語ってくれたお二人だった。男性エンジニアが社内では喋らないというところでは大いに盛り上がったことをメモしておこう。
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