連載 [第7回] :
  Red Hat Summit 2024レポート

写真で見るRed Hat Summit 2024

2024年8月7日(水)
松下 康之 - Yasuyuki Matsushita
Red Hat Summit 2024の展示スペースであるExpoを紹介する。

Red Hat Summit 2024からExpoと命名された展示ブースのようすを紹介する。会場となったColorado Convention Centerの2階に設置されたExpo会場は、中央部にカテゴリーごとに分けられたブースを展開し、その周囲にパートナーが配置されるという形式だ。

Red Hat SummitアプリのMapからわかるRed Hatブースの大きさ

Red Hat SummitアプリのMapからわかるRed Hatブースの大きさ

これは公式に提供されるRed Hat Summitアプリのマップ機能からのスクリーンショットだが、両脇にランチにも使えるテーブルと椅子、それに複数のシアターが用意され、短時間のセッションが実施されていた。

Red Hatブースの中央に設置されているのは案内のスポット

Red Hatブースの中央に設置されているのは案内のスポット

AIを使ったモーションキャプチャー

今回最も重視されたAIについてはモーションキャプチャーと画像合成を行うブースがエントランス近くに設置されていたが、参加者からはあまり人気がなかったようだ。

そもそもAIだからと言ってモーションキャプチャーを見せる意味がよくわからない

そもそもAIだからと言ってモーションキャプチャーを見せる意味がよくわからない

AIについてはまだ展示できる内容がないためか、どちらかと言えば寛ぐためのスペースになっていた。

テーブルと椅子を用意して参加者がリラックスできるスペースに

テーブルと椅子を用意して参加者がリラックスできるスペースに

大人気のInstructLab

その一方で、今回初のお目見えとなったInstructLabは参加者が実際にコントリビューションを体験するためのラボが用意されており、多くの参加者で賑わっていた。

InstructLabは実際に体験しようとする参加者でいつも満員

InstructLabは実際に体験しようとする参加者でいつも満員

Red HatのCEOであるMatt Hicks氏もブースを訪れて、参加者との対話を行っていた。

中央右の眼鏡の男性がCEOのMatt Hicks氏だ

中央右の眼鏡の男性がCEOのMatt Hicks氏だ

テーブルにはノートPCが用意され、指示された手順に従ってモデルにデータをコミットするまでを一通り体験することが可能だ。

ノートPCから用意されたモデルにデータを変更するコミットを行うラボ

ノートPCから用意されたモデルにデータを変更するコミットを行うラボ

具体的に何をするのかはホワイトボードにも書かれているのでラボに参加しなくても概要は理解できる。

ホワイトボードに書かれたインストラクション

ホワイトボードに書かれたインストラクション

OSSコミュニティとの絆

Red Hatのブースではオープンソースコミュニティのためのセクションも用意され、CentOS、Fedoraなどのディストリビューションのステッカーを配布していた。

小さいながらもCentOS、Fedoraコミュニティにも配慮している感

小さいながらもCentOS、Fedoraコミュニティにも配慮している感

大手ベンダーは参加者との対話を重視

メジャーなベンダーはそれほど派手なブースを作らずに、参加者との対話を主眼に置いていたようだ。

AWSのブース

AWSのブース

Intelのブース

Intelのブース

Microsoftのブース

Microsoftのブース

Googleのブース

Googleのブース

元気な新興ハードウェアベンダーOxide Computer

そんな中、新興ベンダーとしてひときわ注目されていたのがOxide Computerのブースだ。

Oxide Computerのブース。エントランスから遠い壁際のブースにも関わらず多くの参加者が訪れていた

Oxide Computerのブース。エントランスから遠い壁際のブースにも関わらず多くの参加者が訪れていた

配線を不要とするラック型のサーバーで、OSもミドルウェアも実装済みで出荷されるという。冷却用の空気の通路を確保するための構造が特徴的だ。

ブースを訪れたGoogleのKelsey Hightower氏(右)とOxideのCTO兼創業者のBryan Cantrill氏(左から2人目)

ブースを訪れたGoogleのKelsey Hightower氏(右)とOxideのCTO兼創業者のBryan Cantrill氏(左から2人目)

ちなみにこの左のバックパックを背負っている男性は、Red HatのStuart Miniman氏だ。彼は元々The CUBEというテックカンファレンスではお馴染みの現地で要人にインタビューを行うメディアブースのインタビュワーとして活躍し、その後Red Hatに転職している。

ブレードの説明を行うBryan Cantrill氏

ブレードの説明を行うBryan Cantrill氏

新興のブースではインタビューを行ったセイコーソリューションズのコンソールサーバーも地味ながらも最小のブースで健闘していた。

セイコーソリューションズのブース。文字が多めのスライドとマテリアルからまじめさが伝わってくる

セイコーソリューションズのブース。文字が多めのスライドとマテリアルからまじめさが伝わってくる

●参考:Red Hat Summit 2024から、ルーターやスイッチのコンソールからの操作を集約してAnsibleから自動化するソリューションを紹介

最近のカンファレンスではよくあるリラックスエリア

また最近のテックカンファレンスではよく目にする企業やコミュニティ以外のブース、つまり参加者がリラックスして遊べるエリアも用意されていた。

IBMがスポンサーの卓球コーナー

IBMがスポンサーの卓球コーナー

標高1,600メートルの高地に位置するデンバーらしく酸素を吸引できるブースを用意

標高1,600メートルの高地に位置するデンバーらしく酸素を吸引できるブースを用意

Pickleball Parkは大人気

Pickleball Parkは大人気

ピックルボールはテニスと卓球をかけ合わせたようなスポーツで、テニスほど激しくなく卓球ほどスピードも要求されないというレクリエーションのための球技だが、ゲーム性が高い割にテクニックを要求されないという特徴を持つ。そのため、座っている時間が長いテックカンファレンスには最適のエクササイズと言える。

ピックルボールに興じる参加者たち

ピックルボールに興じる参加者たち

Red Hatはお馴染みの赤いフェルト帽だけではなく、自身でカスタマイズできるベースボールキャップも提供しており、ここのブースも大人気で常に行列ができていた。

複数のステッカーから選択してベースボールキャップに貼り付ける作業を延々と続けるスタッフ

複数のステッカーから選択してベースボールキャップに貼り付ける作業を延々と続けるスタッフ

また、さらにリラックスしたい参加者たちに人気だった仔犬と触れ合うドッグパークも、短時間ではありながらも大いに人気を博していた。

ドッグパークで仔犬と戯れる参加者たち。女性参加者に大人気

ドッグパークで仔犬と戯れる参加者たち。女性参加者に大人気

お土産を探すならロゴグッズのストアへ

会場のエントランス近くにはCool Stuff Storeと称されたRed Hatのロゴグッズのストアが設置され、ここも大いに賑わっていた。

エントランス近くで日の光が差し込むグッズストア

エントランス近くで日の光が差し込むグッズストア

Red Hat SummitとAnsible Festのロゴが編込まれたボトルカバー

Red Hat SummitとAnsible Festのロゴが編込まれたボトルカバー

やや肌寒い天候だったためかフーディやスウェットシャツが人気だった

やや肌寒い天候だったためかフーディやスウェットシャツが人気だった

キーノートの記事でも紹介したが、Matt Hicks氏やAshesh Badani氏が着用していたVANSのスニーカーも販売されていた。

Red Hatのロゴがプリントされたスニーカー。109ドルは高い?

Red Hatのロゴがプリントされたスニーカー。109ドルは高い?

パーティも多数開催され賑わう

また多くの参加者が集まるベントでは恒例の、ベンダーが顧客や見込み顧客を招いて行うパーティも数多く実施されていた。

テックマヒンドラとRed Hat、Intelによるパーティ

テックマヒンドラとRed Hat、Intelによるパーティ

Red Hatとコンサルティングのデロイトのパーティ

Red Hatとコンサルティングのデロイトのパーティ

日本からの参加者も多く、キーノートなどの際には同時通訳のためのレシーバーも用意され、カンファレンスで発せられるメッセージを漏れなく伝えたいという意図を感じた。かつてのRed Hat Summitでは会期最終日に日本からの参加者を集めて日本語で発表された内容に関するブリーフィングを行っていたレッドハット株式会社だったが、今回も日本からの参加者向けの部屋を用意して対応していたようだ。

ちなみに余談になるが今回の会期がNBAのプレイオフと重なっていたこともあり、2022‐23年のチャンピオンであるDenver NuggetsとMinnesota Timberwolvesとの試合が行われていた。筆者も観戦したが、会場には多くのサミット参加者が参加していたようだ。

街角で発見したDenver Nuggetsのグラフィティ

街角で発見したDenver Nuggetsのグラフィティ

Red Hat Summitは従来のサンフランシスコ、ボストンを交互に行うというスタイルから、全米の各地を転々とする方式に変わることが告知されたが、デンバーはコンパクトで渋滞も激しくなく過ごしやすい街であった。次回のオーランドではどのようなテーマが語られるのか、今から楽しみである。

著者
松下 康之 - Yasuyuki Matsushita
フリーランスライター&マーケティングスペシャリスト。DEC、マイクロソフト、アドビ、レノボなどでのマーケティング、ビジネス誌の編集委員などを経てICT関連のトピックを追うライターに。オープンソースとセキュリティが最近の興味の中心。

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