CSS3では何ができるのか?
CSS3は今!
皆さんはCSS3について知っていましたか?
「まあ、なんとなく知っていたけど、まだ先の話でしょ」という感じではないでしょうか。筆者も「最近ようやくテーブルデザインからCSS+XHTMLでのコーディングスタイルが落ち着いたから、もうちょっとこれでやらして」という感じです。
しかし、CSS3時代の到来はそう先の話ではなさそうです。例えば、SafariやOpera、Firefoxなどの一部のWebブラウザでは、すでにCSS3の仕様が実装されています。また、新しいバージョンが出るたびに、どんどん新しい実装が追加されています。Internet Explorerもバージョン8でWeb標準に向かっています。
このCSS3策定は、Adobe Systems、Apple、Google、HP、IBM、Microsoft、Mozilla、Opera、Sun MicrosystemsなどといったWeb界の巨人たちが名を連ねるグループ「CSS Working Group」によって行われていて、日々新しいCSS3規格が生まれています。
まだ議論中で決まっていない点もあるのですが、前回でもお伝えした通り、「Web標準」というところでは、足並みがそろっていますので、おそらくこのまま突き進んでいくのではないでしょうか。HTML 5の正式勧告である2010年を目処に、このCSS3も徐々に普及し始めるのではないかと思われます。今回の特集では、この次世代のCSSであるCSS3で一体何ができるのか、そしてそれは今後のWebデザインにどのように影響を及ぼすのかについて解説していきましょう。
まずは、少しCSSの歴史を見ていきます(図1)。
CSS3を取り巻く状況
1996年12月に、「Cascading Style Sheets, level 1 (CSS1)」が勧告されました。この勧告では、フォントプロパティ、色および背景のプロパティ、テキストプロパティ、ボックスプロパティなどが策定されています。
1998年5月の「Cascading Style Sheets, level 2 (CSS2)」の勧告では、モニターやTV、紙媒体などの表示媒体によって自動的にスタイルシートを変更できるようになりました。それに伴って音声ブラウザへの対応や印刷媒体への対応も可能となっています。なお、CSS2はCSS1の上位互換です。
次に、2004年2月に「Cascading Style Sheets, level 2 revision 1 (CSS2.1)」が勧告候補とあがっています。これは、CSS2のマイナーチェンジとなるバージョンで、text-shadowプロパティのように、CSS2で策定されていながらもほとんど実装されないものが削除されています(参考「Wikipedia Cascading Style Sheets(http://ja.wikipedia.org/wiki/Cascading_Style_Sheets#Cascading_Style_Sheets.2C_level_3_.28CSS3.29)」)。
現在の使用されているCSSは、ほとんどCSS2をベースにしており、1998年に勧告されています。それから10年経っているのですが、ほぼ完成されたと言ってよいでしょう。
10年前と言えばテーブル全盛期というか、まだインターネットすら本格普及し始めた頃です。その時代に正式に勧告されていたのは驚きですね。しかし、逆に言えば、この10年間CSSは進化しなかったとも言うことができます。では、次のページでは今のCSS3を見ていきましょう。