新レプリケーション機能とは?
評価版でみるレプリケーション機能の実際
それでは、最後に評価版を用いた実際のリソース作成方法と使用方法を説明していこう。90日間無償で使用できる評価版は、「LifeKeeper評価版申請フォーム(http://www.sios.com/product/lifekeeper/eval_questionnaire2.html)」からダウンロードが可能だ。
「第2回:仮想マシンにクラスタ化は必要か?(http://www.thinkit.co.jp/article/51/2/)」でVMware ESX、より手軽なVMware Server上でのLifeKeeper構築レシピをご紹介した。今回は、その続きということになる。
実際の作業を始める前に、「各サーバのローカルなディスクに同容量の新規パーティション用の空き領域があること」「適切なバージョンのSteelEye Data Replication v6のパッケージ(steeleye-lkDR-6.X.X)がインストールされていること」の2点を確認していただきたい。
さらにLinuxカーネルのバージョン2.6.16以下を採用したLinuxディストリビューションでは、インテント・ログファイルによる差分同期機能は使用できないので注意していただきたい。では、早速設定をしていこう。
まず、SDR用のディスク領域を準備する。LifeKeeperで使用するサーバ2台のSDR用のディスク領域にパーティションを作成したら、それぞれext3ファイルシステムでフォーマットする。終わったら稼働系にする予定のサーバ上でのみ、任意の場所にマウントする。場所は例えば/replicationでよい。
次に、SDRリソースを作成する。作成するリソースは「Data Replicaton」を選ぶ。さらに作成方法についてが質問があるので「Replicate Existing Filesystem」を選択する。後はメッセージにしたがって同期に使用するネットワーク経路や、待機系でのパーティション名を指定してリソースを選択する。Linuxカーネルのバージョンが2.6.16以上であれば、作成中に「Bitmap File」の場所が表示される。これは今回説明したインテント・ログファイルを示している(データの同期状態についてのビットマップ情報を含んでいることからこう呼ばれる)。
データレプリケーションの状態を確認する。同期状態は待機系サーバのデータレプリケーションリソースアイコンで確認することができる。さらに、データレプリケーションリソースを示すアイコンの上で右クリックして、「Properties」を選択すると現在の同期状態を詳細に確認できる。Linuxカーネルのバージョンが2.6.16以上でリワインド機能を使用したい場合は、「Set Rewind Log Location」でリワインド・ログの場所を、「Set Rewind Log Max Size」でログの最大サイズを指定しておく。
リワインド機能を試す!
Linuxカーネルのバージョンが2.6.16以上であれば、リワインド機能が使用可能だ。データレプリケーションリソースを示すアイコンの上で右クリックして、次の手順で使用する。
まず、レプリケーションミラーを一時停止して、リワインドを選択する。次に、リワインドしたい時点のタイムスタンプを選択する。選択した時点のデータか、他のタイムスタンプを使用するかを選択する。最後にリカバリしたデータを手動で別のディレクトリへコピーするなどして回復した後、ミラーを再度開始する。または、リワインドで回復させた内容を同期元として同期を開始する。以上でリワインド機能の設定は完了だ。
同期が完了したら、スイッチオーバーさせてみよう。スイッチオーバーは、待機系サーバのファイルシステムリソースを示すアイコンの上で右クリックして「In Service」を選択すればよい。
以上、非常に駆け足ではあったが、データレプリケーション機能について、一通り紹介してきた。LifeKeeperでは高機能を簡単に提供するというのが1つの特徴であり、それは比較的複雑なデータレプリケーション機能でも十分に発揮されている。ぜひ評価版を試用して確認してみてほしい。
最後にLifeKeeperについてのより詳細な情報として「LifeKeeperユーザーサイト(http://sios-steeleye.sios.com)」を公開しているのでお知らせしたい。LifeKeeperユーザーサイトでは実際にLifeKeeperを使用されている方に対して、多くの有用な情報を発信しているので、まだ使用されていない方にもLifeKeeperの雰囲気をより具体的に把握していただけるだろう。