日本の誇りをかけて、いざアトランタへ!

2008年4月28日(月)
山浦 弘

トラブル発生、通訳が来ない!:大会初日

 翌17日はFestivalの初日でした。朝8時30分からGeorgia World Congress Centerの1つのホールで、Opening Ceremony が開催され、「You are our future」という標語の下、FIRSTの創立者のスピーチや参加国の紹介がありました。またFLLの精神であるGracious Professionalismを身につけてここに集まった子供たちは将来、国際的な人材として社会に貢献する責任があるとのメッセージもありました。

 Elevenの次のスケジュールは、ピットに移動して朝10時からのプレゼンテーションです。しかし待てど暮らせどリクエストしておいた通訳が到着しないという非常事態が発生しました。結局コーチが通訳を務めることになりました。

 最初のプレゼンテーションは「プロジェクト」で、10分ほどの説明と質疑応答があります。プレゼンテーションの会場が竜巻の影響で変更になったことで、ここでも思わぬ障害がありました。変更された会場は、空調の騒音がうるさくこちらのプレゼンテーションが審査員に伝わりにくく、また、審査員からの質問も聞き取りにくかったのです。

堂々とやり遂げたプレゼンテーション

 しかし、そのような状況にもへこたれず、メンバーは堂々とプレゼンテーションを行い、審査員からの共感を受けました。

 続く「テクニカル」のプレゼンテーションでは、準備しておいたプレゼンテーションをメンバーが全部話し終わる前に、審査員から「最も自慢できるロボットのミッション(作業)はどれか?」「最も自慢できるソフトウェア処理を使っているミッションはどれか?」などの質問を受けました。

 メンバーはちょっと戸惑いながらもしっかりと回答していましたが、テクニカルプレゼンテーションは全部を説明するよりも、質問された点に焦点を絞った方が良いようです。

 最後に、日本の大会のロボット競技で400点満点を出したことを審査員に伝えると、「後でまた話を聞くかもしれない」と言われましたが、実際には実現しませんでした。これは後の練習ラウンドでの得点も関係していると思われます。

 最後の「チームワーク」のプレゼンテーションでは、その場で与えられた課題をチームで解決するのが主であり、その後チームワークに関して審査員からの質問に回答する形式です。

 課題は、リレー形式で1人5個ずつレゴの部品を足して、「エネルギーを生産するもの」もしくは「エネルギーを消費するもの」を作成するというものでした。日本語に翻訳された課題の訳があいまいだったためメンバーが戸惑ったところはあるものの、チームワーク良く制限時間で石油掘削とCO2貯留を組み合わせたリグの模型を作成し、その出来栄えにより審査員に強い印象を与えたようでした。

 また、「この活動を通じてどんなことを学んだか」などの質問に対して、メンバーは堂々と回答し、これが翌日のコールバックにつながったと思います。

 さて、次回はいよいよ大会2日目のロボット競技の様子をお伝えしていきます。日本代表チーム「Eleven」の成績はいかに?ご期待ください。

東京工業大学
大学院理工学研究科 准教授。専門は機械力学・制御工学。2005年に結成されたチーム「Eleven」のメンターの1人として2007年7月より一緒に活動。メンバーの新鮮な発想や才能に日々驚きながらFLLの活動を楽しみました。

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