2008年のJavaScript動向
さまざまなJavaScriptライブラリ
Prototype.jsの登場以降、さまざまなJavaScriptライブラリが登場しました。現在では情報量の豊富さなどから主要なJavaScriptライブラリは Prototype.js(http://www.prototypejs.org/)とjQuery(http://jquery.com/)に落ち着いた感があります。
Prototype.jsは数あるJavaScriptライブラリの中でも最も初期に登場したもので、DOM操作用の便利なメソッド、Ajaxを簡単に記述するためのユーティリティ、ブラウザ間の差異を吸収するための機能など、豊富な機能を提供しています。また、Prototype.jsをベースにしたライブラリも多く存在します。その中でも有名なscript.aculo.us(http://script.aculo.us/)はさまざまな画面効果を簡単に実現するためのJavaScriptライブラリです。
jQueryはメソッド呼び出しをチェーンさせていくような独特の記述スタイルが特徴です。あまりJavaScriptっぽさがなく、JavaScriptにそれほど詳しくない人にも記述しやすいと言われています。Prototype.jsと同じくフルスタックのライブラリですが、「強力なスタイルシート」と割り切って使われることもあるようです。また、jQueryはプラグインによって機能を拡張することができるようになっています。
このほかにも美麗なユーザーインターフェースを提供するExt.js(http://extjs.com/)や、Yahoo! UI Library(YUI)(http://developer.yahoo.com/yui/)、Dojo(http://dojotoolkit.org/)などのJavaScriptライブラリがよく利用されているようです。また、細かい機能を実現するためのJavaScriptライブラリにはさまざまなものが存在します。必要に応じて調査してみることをお勧めします。
開発ツールも充実
JavaScriptの問題点の1つは、Javaや.NETなどのプログラミング言語と比べると開発環境が貧弱で大規模なコードを記述しにくいということでした。
これまでも、Firefoxのエクステンションとして動作するJavaScriptのデバッグなどが可能なFirebug(https://addons.mozilla.org/ja/firefox/addon/1843)などのツールはありましたが、2008年はEclipse(http://www.eclipse.org/)やNetBeans(http://www.netbeans.org/)などの統合開発環境でもJavaScriptのサポートが強化されるという動きが目立ちました。
また、Aptana Studio(http://www.aptana.com/studio)やSpket IDE(http://www.spket.com/index.html)などのようにJavaScriptをはじめとしたWeb開発に特化した統合開発環境も存在します。
これらの統合開発環境ではコード補完やナビゲーション機能、リファクタリング機能など強力な編集機能が利用できるようになっているため、効率的にJavaScriptコードの記述を行うことができます。これまでテキストエディタでJavaScriptをコーディングしていた開発者の皆さんはぜひこれらの統合開発環境の利用も検討してみてください。