そもそもサーバOSとは何か
UNIX系サーバOS
UNIX系サーバOSは、以前は触れる機会が少なく、学習しづらかったが、昨今では事情が変わっている。後述するLinux系OSやBSD系OSなどオープンソースのUNIXライクなOSの出現や、サン・マイクロシステムズのSolarisをオープンソースで公開したOpenSolarisを利用すれば、十分学習できるはずだ。
UNIX系OSの種類としてはSolarisのほかにHP-UX、AIX、加えてMac OS XもUNIXであるが、ハードウェア依存度がほかのOSに比べて強いこともあり、ハードウェアが決まるとほぼ自動的にOSが決まってしまうことが多い。いずれにせよ、「UNIX」ならば冒頭でも述べた通り、どのOSでもサーバOSとして使用可能だ。
Windows系サーバOS
「Windowsは基幹システムには使えない」というのはすでに過去の言であり、「中小企業のファイルサーバ」としてはじまったWindows系サーバOSは、バージョンを重ねるたび安定性が増し、金融機関の基幹システムを支えるまでに成長した。
ほかのサーバOSとの最大の違いは、対応ハードウェアや使用可能機能に応じ「エディション」という形で豊富な選択肢があることだ。
エディションのメリットとしては、ライセンスをシステム構成にフィットさせることができるため、費用が抑えられることがある。しかし「小さく動かして、大きく育てる」ような新規事業の場合など、このエディションの豊富さはデメリットかもしれない。
というのは、新規に事業を立ち上げる場合は、最初期ではシステム構成が決まっておらず、どのエディションを選べば良いかわからない、もしくは機能過多のライセンスを買ってしまうかもしれないからだ。この点はサーバOSの機能以前の検討事項として頭に入れておくべきだ。
また、Windows XPやWindows Vistaとほぼ同じ外観の「見慣れた画面」で管理できることも、メリットの1つである。この「見慣れた画面」は、操作ミスを心理的に防ぐのに、非常に重要だ。黒い画面に白や緑の文字だけの画面は、初心者には非常にストレスになる。
かつて弱点とされてきたバッチ処理とリモート管理も、Windows PowerShellとWindows Server 2003から搭載された管理用リモートデスクトップ、そしてEmergency Management Service(EMS)で解決したと言えよう。
EMSは耳慣れないかもしれないが、つまりはシリアルコンソール機能である。テキストベースの限定された環境ではあるが、シリアルポート経由でWindows Serverを管理すことが可能になった。
ほかのOSの良いところや、開発者や管理者が欲している機能を、以前からのGUI路線とうまく融合させて進化していくOS、それがWindows Serverである。