FreeNASでストレージ専用機の構築
ソフトウェアRAIDとCIFSサーバ
ソフトウェアRAIDによるミラーリング構築と、SambaによるCIFSサーバの起動は、Web管理画面を利用するとあっけないほど簡単にできてしまう。ユーザガイドにもスクリーンショット付きで詳細に説明されているが、手順を簡単に紹介する。
まずディスク構成は、左のメニューの「Disks → Management」で行う。構成のポイントは、「Preformatted file system」を「Software RAID」にすることだ。こうすることで、次のメニューである「Disks → Software RAID」で構成が可能だ。Software RAIDでは、「RAID 1」タブでミラーリングを行うディスクを選択する。Raid Nameは「raid1」など、わかりやすい名前でよいだろう。
次はフォーマットだ。「Disks → Format」で先ほど構成したraid1を選択し、UFSでフォーマットする。最後はマウントポイントだ。「Disks → Mount Point」の中のNameが、/mnt/NAMEにマウントされることになる。
以上でディスクの構成は終了、次はCIFSサーバだ。
「Services → CIFS/SMB」を開く。まず「Enable」にチェックを付け、「Save and Restart」をする。これでCIFSサーバは起動した。「Share」タブをクリックし、共有フォルダを追加する作業を行う。Pathの指定にはブラウズボタンもあるため、初心者でも迷うことなく利用可能ではないだろうか。
以上、かなり駆け足だったが、FreeNASによるCIFSサーバの構築手順を紹介した。FreeNASはCIFSだけでなく、FTP、NFS、iSCSI、ssh、rsyncなど多様なプロトコルに対応している。また、ユーザ管理やアクセス制御も可能なので、部門サーバとしてだけでなく、急きょファイルサーバが必要になったときなどには役に立つはずだ。
連載を終えるにあたって
本連載では、大まかなサーバOSの種別と選定方法、汎用サーバOSとアプライアンスOSによる実際の構築を紹介してきた。
アプリケーションやハードウェアに比べ、OSは地味な存在で、地味であるが故に軽視されがちである。しかし、OSをないがしろにしてしまっては、せっかくのアプリケーションやハードウェアを有効活用することは望めない。アプリケーションやハードウェアを生かすも殺すも、OS次第なのである。
限られた制約の中で、最適なOSを選択することは、優れたシステム構築の第一歩であり、SEやSIの腕の見せ所だ。ここで誤った選択を行うと、後々まで苦労することになる。OSに限った話ではないが、あらゆるプロダクトに触れることは、自身の技術力の底上げにつながり、ひいてはシステム設計の幅を広げることが可能となる。
昔は商用だったサーバOSや高機能な仮想環境が、いまは無償で手に入る時代である。学習は今すぐにでもはじめられる。読者には、本連載記事によってOSの重要性を再認識し、いままで扱ったことのないOSへチャレンジするきっかけとしてもらえれば幸いである。
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